2014年の日本人の平均寿命は男性が80.50歳 、女性が86.83歳。女性は3年連続世界一となり、国際的にも「長寿国 日本」というイメージが広がりつつあります。そんな中、日本の食生活は健康に良いことを裏付ける研究結果がでました。
日本食はやっぱり健康的に良い
最新の研究によると、2005年厚生労働省・農林水産省が策定している「食事バランスガイド」通りの食生活を送った人は病気の死亡リスクが減るという結果がでました。
これは国立がん研究センターや全国の保健所がおこなっている「多目的コホート研究」の一環でおこなわれたものです。
この多目的コホート研究では「がん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」をおこなっています。
「食事バランスガイド遵守と死亡との関連について」という研究では、15年にわたって研究者チームが40歳〜69歳までの男女約79,600人を対象に食事調査を含む生活習慣についてのアンケート調査を2回おこないました。
image by: 農林水産省
食事バランスガイドは、「1日に何をどれだけ食べたら良いのか」について目安が示されており、これに沿って食生活を見直すことで寿命が延びるということを目的としています。
研究開始から5年後に行なったアンケート調査の結果を使い、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物、総エネルギー、菓子・嗜好飲料由来のエネルギーの各摂取量を10点満点として評価し、70点満点の食事バランスガイド遵守得点を算出。
参加者を4つのグループに分け、その後平均15年間の死亡との関連を調べました。
結果、食事バランスガイドへの遵守度の高い人ほど…
- 病気全体の死亡リスク 15%低い
- 循環器疾患死亡のリスク 16%低い
- 脳血管疾患死亡のリスク 22%低い
これには海外のメディアも注目。
米TIMEは「日本人のように食べる方法」というタイトルで「魚や野菜を中心とした食事が、日本の驚くべき寿命に関与している」と紹介し、長寿大国・日本はヘルシーな食生活にあると報道しています。
米メディカル・デイリーでは、「米国人は、加工食品からたくさんのカロリーを消費する傾向にありますが、バランスのとれた食事について学ぶことは、年を重ねる中で健康的なライフスタイルを維持するカギだ」と、日本の食事バランスガイドを紹介。
image by: BMJ
日本でも海外でも「日本食はヘルシーで良い」という意識はすでにありましたが、この研究結果によって再認識することができましたね。
欧米スタイルの食生活になりつつある日本人ですが、魚、野菜、大豆などを中心とした食生活を心がけたいものです。
日本以外の国では、このような食生活に関するガイドはどうなっているのか気になりますね。
Image by: shutterstock
Source by: TIME, British Medical Journal,メディカル・デイリー, 国立がん研究センター
文/MAG2 NEWS編集部