先日行われた、大阪都構想の是非を問う住民投票。ご存知の通り、反対票70万5585票、賛成票69万4844票、パーセンテージにして50.4%対49.6%という僅差で反対票が上回り、橋下市長は政界引退を表明しました。
辛坊治郎さんが分析する「敗因」は?
この結果や橋下市長の敗因については、「シルバーデモクラシー問題」を筆頭に各所で様々な議論がなされていますが、ジャーナリストの辛坊治郎さんはメルマガで以下のように述べています。
実は最後の最後に橋下徹は間違えたんじゃないかと、ちょっと思っています。それは彼にしては珍しく大阪都構想の本当の目的と大阪市民にとってのデメリットを、最後まで口にするのを封印していたように見えることです。
都構想のデメリットを推進派の橋下市長が口にするのは自らの首を絞める行為のようにも感じてしまいますが、辛坊さんは、「高齢者にとっては都構想はマイナスになり得るということをもっとはっきり言うべきだった、心ある市民には、そのほうがよりはっきりと構想の意味が伝わったのでは」と述べ、そのような「厳し目な」発言をしていれば、むしろ志の高い高齢者票は逆につかめたはずだと分析。さらに「ネガティブキャンペーンに対抗するため、最後の瞬間まで辛い言葉を封印したのは、やむを得ないとはいえ、残念な判断だったんじゃないか」とも記しています。
橋下市長がすべきだった演説
では具体的に橋下市長は大阪市民にどのように訴えるべきだったのでしょうか。これについても辛坊さんは「多分橋下氏の本音」として、以下のように書いてもいました。
「大阪市民の皆さん。大阪市が長年経営に失敗したことで、大阪から、会社も大学も金持ちも逃げてしまい、日本有数の大都市でありながら年間1千億円以上の国費が投入されて何とかやりくりしなくちゃいけないのが、今の大阪市の真の姿です。こんな状態で、高齢者の無料パスなんて続けられる筈がありません。大阪都構想が実現したら、短期的には皆さんの行政サービスが、他の市町村と同程度になるかも知れません。しかし指令塔を一本化することによって、京都、奈良、神戸を後背地に持ち、3つの空港で東アジアと近距離で結ばれる関西は、東京なんか目じゃない立派な地域に生まれ変われるんです。大阪はその核になれる十分な潜在力があります。その先には、国の金に頼らず、堂々と日本一の福祉を実現出来る大阪が見えます。私に、その力を下さい。」
image by: 大阪維新の会
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著者/辛坊治郎
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