美容院のみならず、自宅でも手軽に使えるようになった「ヘアカラー」。おしゃれ染めから白髪染めまで種類も豊富にあり、男性の愛用者も多いようです。しかし無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』では、近年、消費者庁に寄せられる「ヘアカラー剤によるアレルギー被害」の数が急増していると注意を促しています。
アレルギー:茶髪、白髪染めヘアカラーにご注意を!
インフルエンザの悩みが消えかかると思いきや、今度は花粉症の番です。でも今日は花粉によるアレルギーの問題はさておき、茶髪や白髪染め用ヘアカラーによるアレルギー反応のお話を。
消費者庁に報告される、ヘアカラー剤で起きるアレルギーなど皮膚障害に関する事例が急増しているそうです。一度症状が表れると使う度に重症化することもあるとのことで、「異常を感じたら使用をやめ、医療機関を受診して」と注意喚起しています。
昨年(平成27年)10月23日、消費者安全調査委員会は、「毛染めによる皮膚障害」に関する事故等原因調査報告書を公表しました。それによりますと、消費者庁には平成26年度までの5年間で1,000件超の被害相談事例が寄せられ、うち約170件は1カ月以上の重症だったそうです。中には髪が抜け落ちたり、耳や指先など広範囲に炎症が広がったりするケースもあったようです。
また、消費者庁が昨年1~2月に毛染め経験のある全国の15~80歳の男女3,000人を対象に行った調査によりますと、ヘアカラー剤によるアレルギーの危険性を「知らない」と答えた人は32%だったそうです。そしてアレルギーなどの皮膚障害が出た場合、「別の商品にすれば改善されると思う」と答えた人は56.5%だったそうですが、ことはそんなに簡単ではなさそうです。
以下に、消費者庁の注意事項をお示しします。
酸化染毛剤はヘアカラーリング剤の中でもアレルギーを引き起こしやすい
毛染めによる皮膚障害の多くは接触皮膚炎で、その直接的な原因はヘアカラーリング剤です。ヘアカラーリング剤の中でも酸化染毛剤(ヘアカラー、ヘアダイ、白髪染め、おしゃれ染め、アルカリカラー等と呼ばれる)は、最も広く使用されていますが、他のカラーリング剤と比べてアレルギー性接触皮膚炎を引き起こしやすくもあります。
アレルギーの場合、再度の使用により症状が重くなることも
これまでに毛染めで異常を感じたことのない人も、継続的に毛染めを行ううちにアレルギーになることがあります。1度目のアレルギー症状が軽かった場合も、治まった後に再度使用すれば、次第に症状が重くなる場合があります。症状には個人差があり、人によっては頭皮だけでなく、顔面や首などにまで皮膚症状が広がり、日常生活に支障を来すほどになることもあります。
異常を感じたら、使用を止め、医療機関の受診を!
酸化染毛剤を使用する際は、事前にセルフテストを行いましょう。また、使用して、かゆみ、赤み、痛みなどの異常を感じた場合は、アレルギー性接触皮膚炎の可能性があるため、使用を止める、医療機関を受診するなど適切に対応しましょう。
ヘアカラーの色持ちがよくなるとして用いられる、パラフェニレンジアミン(PPD)がアレルギー反応を起きおこす元凶のようですが、皆様十分にご注意を。
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