「足を組む」姿勢の影響について、「骨盤が開く」「骨盤がゆがむ」ということを耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。姿勢による身体への影響について、考えてみましょう。
あなたの今の姿勢は?
今、あなたはどんな姿勢でこの記事を読んでいるでしょうか。足を組んでいる人もいるかもしれません。「足を組む」ということが、身体にどのような影響を与えるのかを考える前に、「あなたはなぜ足を組んでしまうのか?」を考えてみましょう。以下を確認してみましょう。
- 足がおもだるくなってきた
- 足裏が付かない高さの椅子に座っている
- まっすぐ座るのが辛い、寄りかかりたい
- 同じところに長時間座っている
同じ姿勢を続けることは難しいことです。足を組んだとき、ふと、身体のどこかが楽になるとすれば、それが足を組む理由の一つでしょう。身体を調整しようと、足組みをしているのです。
「骨盤が開く」とは
骨盤は8個 の骨が合わさったつなぎ目のある一群の骨ですが、手足の関節のようには、動くことはできません。一般的に言われる「骨盤が開く」こと自体はとくに問題ではありませんが半関節である仙腸関節は動くことができ、また恥骨結合部は、分娩時に開いて分娩を助けます。
姿勢の変化によって、骨盤も常に微妙に動いているのが自然、ということです。
身体への影響
身体の使い方や生活上の習慣が、身体の癖を作っているということは、確かに誰でもあることでしょう。使い過ぎによって、一定の部分に痛みが生じたり、障害がでる例に、テニス肘や野球肘などのスポーツ障害があります。
身体の癖や習慣が強いほど、ある一定の部分に負担がかかり、障害が起こりやすくなります。足組みをする癖も、いつも足を組まないと座れない程だと影響はあるかもしれません。
足を組む癖を治すには
できるだけ長く座っていられるように、体幹(胴体)のインナーマッスル(腰部多裂筋、腹横筋、内腹斜筋、骨盤底筋群など)などを鍛えると良いでしょう。
頭を持ち上げる腹筋運動のようなトレーニングよりも、姿勢を正すことが訓練になります。また、長時間座る習慣がある人は、まめな休息も必要です。「ながら運動」のつもりで以下のことを試してみましょう。
長時間椅子に座るとき
・骨盤や背中を支えるようなクッションや補助道具を使う
・こまめ(30分~1時間ごと)に、体勢を変えたりストレッチをする
・足裏が床につくように椅子の高さを調整する(足台などを使う)
いつでもできること
・背筋を伸ばすことを意識する
・膝を閉じて足裏を床につけて座る
まとめ
足を組むことは、必ずしも骨盤が開いて身体に悪いということではありません。
良い姿勢を意識することで、おのずと体も鍛えられ、足を組まずに座れるようになってきます。姿勢を見直してみましょう。
執筆者:座波朝香(保健師)
監修医:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
【関連記事】