政府は限定的とはいえ集団的自衛権の行使を容認する安保法案を決議決定し、国会に提出しました。安倍総理の記者会見の模様をご覧になった方も多いかと思われます。この会見について、作家の大石英司さんは3つの気になる箇所があったと言います。
安倍総理の安保法案会見で気になった3箇所
総理の会見で気になったのは3箇所
海外派兵が一般に許されないという従来からの原則も変わりません。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、今後とも決してない。そのことも明確にしておきたいと思います。
法案は全くその通りで、あの手の戦争に直接参加する道を切り拓くものではない。ただ、米帝が一番期待しているのはそこであって、一方、国民が心配しているのもそこでしょう。米帝向けの説明と、国民向けの説明は整合性が取れるのか。
例えば南シナ海における件におきましては、これは全く私も承知しておりませんので、コメントのしようがないわけであります。
これは巧いこと逃げたなw と感じるけれど、政府内で検討中だけれど、今それを持ち出すと、通るものが通らないから、自分は知らないことになっている、というお話でしょう。
例えばISILに関しましては、我々がここで後方支援をするということはありません。これははっきり申し上げておきたいと思います。
これは難しい。オバマ政権が大規模な地上部隊を派遣する意志がない。幸い、勢力拡大は止まりつつあるという所で、その懸念は低いけれど、将来的に米帝主導なりNATO主導なりで、それが全くあり得ないことではないことを考えると、断言はどうかと思いますけどね。
一見複雑な法案で、審議時間はそれで足りるのか? という疑問はつねに付きまとうわけですが、一方で、実は政府と公明さんとの議論の過程で、論点整理は相当に進んだとも言える。
政府側が持ち出した仮想の設定がいさかか滑稽である点はさておき、一応の歯止めも掛かっていることであるし、むしろ野党は、その反対に関して、論理的整合性を備えるかどうか気を付けた方が良い。でなければ、安保なんて今の国民にとってはどうでも良いテーマで、やっぱりこの連中に政権を委ねるのは無理だと呆れられることになる。
image by:自由民主党
『日刊 大石英司の代替空港』2015.5.15号より一部抜粋
【2015.5.15号の目次】
- もはや戦後では無い?
- 「特攻」記憶遺産申請 南九州市長「美化ではない」
- 箱根山規制区域内に入り点検 温泉供給業者ら重装備で
- 米艦船、中国艦に追跡される=南シナ海でパトロール中
- 勝負あったか 公明党が「反都構想」に転じて“橋下包囲網”完成
- 大型犬襲撃逃走:散歩の女性けが 連れていた犬も2匹死傷
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著者/大石英司
作家、鹿児島県出身、川崎市高津区在住。国内外の注目ニュースに関して alternative な視点を提供するメルマガはビジネスマンなら必読です。
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