ハリウッド映画「オデッセイ」や「地球人の移住計画」など、何かと話題の火星。そんな未踏の地であるにもかかわらず、「火星の地図」なるものが公開され、世界が注目しています。
火星の地図には一体なにが描かれているの?
最近、映画などの影響で注目度が増している火星ですが、それに拍車をかけるかのように、今度は火星の「地図」が作成されたというニュースが飛び出しました。
えっ、誰も火星に行ったことがないのに、そんなもの作ることできるの?と思った方も多いことでしょう、実は可能なんです。
さすがは火星、地球に負けず劣らず話題が豊富です。
英Daily Mailによると、そんな偉業を成し遂げたのはシアトルを拠点に活動するEleanor Lutzさんというサイエンス・アーティストの女性。
image by: Twitter(@eleanor_lutz )
そしてこれが噂の火星の地図です。
image by: Eleanor Lutzさんのブログ
(地図をクリックすると拡大してみることができます)
彼女は「Tabletop Whale」という自身のブログの中で、このように紹介しています。
「最近、私は中世の探検家たちの古い地図にとても夢中です。そしてこう思ったんです。まだ現代における未開の地を歴史的なデザインを使って描けば面白いんじゃないかって。これが私の火星の手書きのトログラフィックマップです」。
NASAのデータを用いることによって火星の地図を手描きで作成することができたそうです。
データについてはマーズ・グローバル・サーベイヤーという火星探査機に搭載したMars Orbiter Laser Altimeterという高度計を使ったとのこと。
その正確さに間違いはなさそうです。
それがどれだけ忠実で正確かというと、NASAが公開している地形上の映像のオーバーレイに沿って宇宙船が着陸する場所を赤で囲うなど、かなりの緻密具合です。
GIZMODOによると、Lutzさんは「私はこのスタイルを選びました。このプロジェクトは昔の地図作成者と同じような遠近法を用いたほうがいいと思ったから」とコメントしています。
この地図のなかで最も視覚的にインパクトの強いのがスキャパレッリ・クレーター。
これは映画「オデッセイ」で、主演のマット・デイモン演じる宇宙飛行士ワトニーのロケットが発射する離床時点として描かれていました。
もう一つ目をひくのは「最大級のマリネリス峡谷」です。
長さ4000km、横幅200km、深さが10kmといいますから、かなり壮大で目がくらみそうな規模です。
これは、かのグランドキャニオンの10倍の長さ、5倍の深さに匹敵するそうです。
もはや規模がデカすぎて想像できない域に達しています。
ただ、“地球人”として唯一親近感が沸くのは、地球上に存在するある村の名前や、火星の研究に貢献してきた今は亡き研究者にちなんで名前がつけられたクレーターなどが描かれていたということぐらいでしょうか。
この他にもイギリスで地図を作成する機関(英国陸地測量部/ OS)が作った“OS Map”も話題となりました。
縮尺は1:4,000,000なので1cmは4000km。
TECH TIMESによると、これは欧州宇宙機関(ESA)が2018年に計画しているエクソマーズのローバー(探査車)の打ち上げ向けに作成されたマッピングプロジェクトとのことです。
火星探査機”キュリオシティ”が捉えた火星の風景
この地図から、火星がどのような地形なのかはわかりました。
でもまだまだ火星ってどんなところだがイマイチぴんと来ていない方も多いことでしょう。
それでは、こちらの360度の火星の風景をご覧ください。
※スマートフォンを左右に動かすと、画面が動きます。パソコンからでも画面をドラッグすると動かせます。ただ、Safariなどではみれないようなので、パソコンならChromeブラウザ、スマホなら最新版にアップロードしたYouTubeアプリでみることをおすすめします。
THE VERGEによると、これはNASAが先日発表した火星探査機ローバーのキュリオシティが撮影した火星の風景。
この”キュリオシティ”は2012年6月から火星に降り立ち、このパノラマ写真は2015年12月に撮られました。
数年前にオランダのNPO法人Mars Oneが、片道切符の「火星移住計画」を発表して話題になりました。
火星なんて遠い惑星のことだと思っていましたが、こんな風に地図やパノラマ写真を見ると、なんだか身近に感じてしまいます。
地図を片手に火星内を観光、なんて話が実現する日も近いのでしょうか。
Image by: Shutterstock
Source by: Daily Mail , Tabletop Whale , TECH TIMES , THE VERGE , Ordnance Survey
文/臼井史佳