中国は二度死ぬ。騙された世界の富裕層から怒りの反撃

 

国際金融資本も中国にだまされていた?

皆さん、こんな話を聞いたことがあるでしょう?

  1. 世界を支配しているのは、「国際金融資本」である
  2. 「国際金融資本」は、国境を超越しており、アメリカが覇権国家でなくても困らない
  3. 「国際金融資本」は、アメリカの次の覇権国家を「中国」に決めた
  4. だから中国の未来は明るい

まず、「金持ち」の方が貧しい人よりパワーがあるのは、そのとおりでしょう。皆さんの会社でも、一番金持ちの社長さんが、一番パワーもあり、支配力もあるはずです。

そして、この世は、とてつもない「格差社会」。なんと、金持ち62人の資産は、貧しい36億人分に匹敵する。そして、トップ1%の資産は、その他99%の資産より多い。証拠はこちら。

たった62人の大富豪の資産が、下位36億人の資産と同じという衝撃データ

トップ62人の支配力はどのくらいなのか、想像するのも困難ですね。

さて、フォーブス富豪ランキング最新版によると、世界で23番目の金持ちである、ジョージ・ソロス。「オープン・ソサエティ財団」を通して、世界の政治にも深く関わっている。バリバリの「国際金融資本メンバー」といえるでしょう。そんな彼の過去の発言を追っていくと、「国際金融資本も、実は中国にだまされていたのでは?」と思えてきます。06年に出版された、「世界秩序の崩壊 『自分さえよければ社会』への警鐘」には、以下のように記されています。

ところが、ここに、皮肉にも愚かな事態が起きた。近隣の大国・中国が基本的に多極主義を受け入れ始めた矢先、アメリカ合衆国が正反対な方向へと動き、国際的な諸制度への疑念を強め、最近の国家安全保障面での難題に対して大幅に一極主義的な治療策を遂行したのである。

ここでソロスさんがいっているのは、

「多極主義を受け入れた中国は賢明だ」
「一極主義のアメリカブッシュ政権は愚かだ」

ということです。つまり、彼の頭の中では、06年の時点で、

「アメリカ、ブッシュ政権はバカ
中国は賢明

という構図になっていた。さらにソロスは、いいます。

日本は、この両国の板挟みになった。

 

かたや最大のパトロンかつ保護国ながら、昨今益々世界の多くの国々との折り合いが悪くなってきたアメリカ。

 

かたやその経済的繁栄を持続させ確保すべく国際的システムにおいて安定と現状維持を志向しつつある中国。

どうですか、これ???

かたやその経済的繁栄を持続させ確保すべく国際的システムにおいて安定と現状維持を志向しつつある中国。

ソロスさん、中国については、「最高評価」といってもいいでしょう。

  • ソロスは、アメリカブッシュ政権が嫌い
  • 中国が好き

こういう思考を持っているところ、アメリカでは「住宅バブル」が崩壊した。07年、「サブプライム問題」が顕在化してきた。そして、彼は08年1月、リーマンショックが起こる8か月前に、決定的宣言をします。

「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する。ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」と述べた。
(ジョージ・ソロス ロイター1月24日)

この時点でソロスは、「アメリカの時代は終わってもいい。俺たちは、中国と共に繁栄していける!」と考えていたのでしょう。2010年11月、彼はこんなことをいっています。

アメリカから中国への、パワーと影響力の本当に驚くべき、急速な遷移があり、それはちょうど第2次世界大戦後の英国の衰退とアメリカへの覇権の移行に喩えられる。

今日、中国は活発な経済のみならず、実際に、アメリカよりもより機能的な政府を持っているという議論を呼ぶであろう。

これ、論理的に考えると、とてもおかしなことです。ソロスの財団は、「開かれた社会」を目指している。要するに、「民主主義」で、「言論、信教、結社の自由」などがあり、「人権の守られる」社会のことです。

ところが、一党独裁で、人権が全然ない中国について、「アメリカより機能的な政府だ!」と大絶賛している。こんなところからも、「ソロスは、中国がアメリカにかわる覇権国家になることを後押ししていた」様子がうかがえます。

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