ここ数年、日本酒の知名度も徐々に高まってきています。アメリカやアジアへの輸出増加はもちろん、ヨーロッパ諸国でも日本酒が買えるオンラインショップが開設されています。日本酒人気はまだまだ高まりそうです。
日本酒の輸出、連続で過去最高を記録
先日、ウイスキーの人気ぶりについての記事を紹介しましたが、今回は日本酒について、世界からの反応をお伝えします。
国税庁の発表によると、2014年時点での日本酒(清酒)の輸出額は総額約105億円、対前年比117.6%と、順調な伸びを示しています。
輸出国のトップ5は、アメリカ、香港、韓国、台湾、中国と、まだまだアメリカやアジア諸国が中心となっているようですが、「SAKE」を世界に広めるため、国税庁も様々な取り組みをしている様子。
例えば、在日外交官に対しての日本酒セミナー実施、「日本酒ラベルの用語事典」の外国版の作成、主要国際空港での日本産酒類キャンペーンの後援など。
活動の効果もあってか、今ではヨーロッパでも、「SAKE」への注目度が高まっているようです。
ヨーロッパでの反応は?
日本へ来たらやらなくてはいけないアクティビティのひとつとして「SAKEを飲むこと!」がリストにあがるくらい、その名を轟かせている日本酒ですが、いざ海外からの旅行者に「どんなSAKEが飲みたいですか?」と聞いてみると、「え?SAKEってそんなに種類があるの?!」なんて驚かれることもしばしば。
やはり「SAKE」の実態ついては、あまり知られていないのでしょうか。
しかし、ヨーロッパ国内での状況を見てみると、日本酒が買えるオンラインショップも続々増えてきているようです。
さらにサイトを覗いてみると、ただ販売をしているだけでなく、初心者にもきちんと理解できるように、かなり丁寧に日本酒について説明されています。
イギリスのサイト、「TENGU SAKE」では酒ガイドというページを設けて「好みのSAKEの選び方」を説明していたり、飲むときの温度について詳しく説明していたりと、日本人でも勉強になるような内容が掲載されています。
ちなみに、このサイトでは、今冬の販売ベスト10が紹介されていて、岐阜の「三千盛」が「あぺりてぃふ」と名前を変えて15ユーロで1位にランクインしているほか、2位に岡山県辻本店「御前酒・九」が「ロッキー・マウンテン」として18ユーロで、3位には「御前酒・上撰」が20ユーロでランクインしています。
ワイン大国、フランスにも日本酒が買えるオンラインショップがあります。
「MAISON DU WHISKY」では、埼玉産の「恋鯉」(42ユーロ)、魚織(39.5ユーロ)、新潟産「カワセミの旅」(42ユーロ)などが、ベストセラーとなっているようです。
また、日本酒はフランス料理によく合うということも、日本酒ブームの理由のひとつのようです。
image by: MAISON DU WHISKY
そのお隣のドイツもお酒好きな人が多い印象がありますが、もちろん日本酒の評判も上々。
ドイツで日本人人口がデュッセルドルフに続いて多いフランクフルトでは、「国際唎酒師(ききざけし)」の資格を持つ日本人女性、向出真由子さんが、昨年「J’epoca SAKAbar」という日本酒バーをオープンしました。
image by: J’epoca SAKAbarのFacebook
石川県の「神泉」をはじめ、梅酒、ゆず酒なども人気を集めているようです。
向出さんは、20〜25種類の北陸産の日本酒を仕入れて日本酒の良さを広めて行きたいと、その意気込みを語っています。
その他、オランダの「酒リシャス」、スイスの「SHINWAZEN」など日本酒を販売するオンラインショップが複数見受けられました。
image by: 酒リシャス
各国で好みにばらつきはありそうですが、ヨーロッパでの「SAKE」の人気ぶり、これからも期待できそう。
日本食ブーム、ウイスキーブームと同じように「SAKE」の海外での活躍も見守って行きたいですね。
image by: Shutterstock
source by: 国税庁/ TENGU SAKE/ MAISON DU WHISKY/ Confectionery News/ NIKKEI Asian Review
文/長塚香織