前回の放送で視聴率が19%と調子を上げ、根強い人気を見せつけたNHK大河ドラマ『真田丸』。MAG2 NEWSではナワバリストと呼ばれる城郭研究家たちが、毎回のドラマをさらに楽しむためのワンポイント解説をお送りいたします。今回は、高嶋政伸さん演じる北条氏政に注目し、小田原城主・北条一族が、いかにして乱世を生き抜いてきたかを解説します。
今週のワンポイント(2月14日)
今週の注目人物は、北条氏政と氏直。 氏政は、一般にはそれほど高い評価を得ていないけれど、北条五代の中ではもっとも勢力拡大に成功した当主だし、活躍期間も長い。ドラマで描かれている天正10年の時点では、すでに氏直に家督を譲り、大御所として戦略や外交の指導に当たっていた。ではなぜ、そんな「院政」が必要かというと…。
氏政が勢力を拡大してゆくと、まわりにひしめていてる中小の国衆たちが北条軍の傘下に組み込まれてゆく。彼らはもともと自立した存在で、北条家から所領を与えられているわけではなく、小なりといえども自分の領地を自力で守って来たわけだから、北条家の衛星国ではあるけれど家臣ではない。氏政が家督を氏直に譲ると、北条家の家臣たちは新しい当主に従う。でも、家臣でない衛星国の国衆たちは、あくまで氏政の実力に従っているわけだから、新当主という肩書だけで 氏直の言いなりになるとはかぎらない。
それに、氏政の弟である氏照(滝山城主)、氏邦(鉢形城主)、氏規(韮山・三崎城主)は、氏直から見れば叔父。実力派の叔父達を、若い氏直が頭ごなしに仕切るというのは、現実的には難しい。 だから、氏政が後ろ盾となって若い当主に実績を積ませながら、権力を継承させてゆくわけだ。わかりやすく言うと、本社の社長を息子に譲って、自分は「北条グループ」全体の会長になる、みたいな話だ。
ちなみに、北条家は五代百年にわたり、家督継承をめぐる内紛を一度も起こしていないが、こんな戦国大名はほかにいない。したたかな家なのである。(西股総生)
《今週のワンポイントイラスト》
氏政、氏直、氏照、氏邦、氏規…氏だらけだけど、それぞれ個性が光る北条グループ。兄弟の 結束はどの家にも負けません! ちなみに氏照は笛の名手だったそうです。雅〜!
文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)
ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組
★TEAM ナワバリング書籍情報
『図解 戦国の城がよくわかる本』 西股総生
ベストセラーズより 2016 年 2 月 20 日出版予定!
★NHK 大河ドラマ『真田丸』がより楽しめる4コマ漫画
『ふぅ~ん、真田丸』発売中!
★イベント情報
5月14日(土)クラブツーリズム「土の城はココまですごい! 徹底攻略・杉山城」参加費 ¥6,500
2月20日(土)シロキチ☆ツアーズ「新府城」現地集合・現地解散で参加費¥4,500
2月18日(木)19:00〜 高円寺ちゃらぽこ「六文銭裏講座」予約なしで参加費 ¥1,500 円(ワンドリンク付き)
今週の『真田丸』SNS反応【編集部まとめ】
【今週の徳川】先週忠勝とラブラブだったくせに今週は正信といちゃいちゃしてる家康。窮地を脱したとたんに「家臣になった覚えはない」とか言い出して、適当にホラ吹いてあとはのらりくらりとかなんという腹黒全開。絶対死なないとわかってるだけに安心して愛でられるのう。 #真田丸
— rose (@Lazyrose_1999) 2016, 2月 14
「私はこの景色が好きです。信濃は日本国の真ん中です。信濃に生まれたことを誇りに思います」
これ、長野県の方にとってはドラマのセリフとはいえ嬉しいもんだろうなって思う。#真田丸 pic.twitter.com/AalLGq9Dko
— ゆずず (@yuzu0905) 2016, 2月 14
「黙れ、小童!!!」の瞬間、我が家では「よっ、今週も待ってました!」の掛け声。 #真田丸
— こまつ あい (@ai_koma) 2016, 2月 14
あえて視聴者のほとんどが知ってる歴史的戦をスルーして、この大河で秀吉という人物がどんな人間かわからなくしてるのほんと上手い。
劇中でのわからなさを表現させているのと視聴者を期待させるってのをやってる。
#真田丸— エムネP@アーニャちゃん復刻はよ (@emune_a) 2016, 2月 14
おまつさん、本能寺の変後行方不明になりました説は史実的には疑わしいらしいので、いつ復活するかはオリジナル展開になりそうです。史料そのものが少なくて、ダーリンの茂誠さんの方が史料残ってるみたい。茂誠さんは北条滅亡後に昌幸家臣になってるのでどう話を膨らませるのかな?#真田丸
— メイファマオ (@molmol299) 2016, 2月 14
北条氏政もまた「偉大な父」に対して足掻き続けている男な気がしましたね。「王者」としての貫禄よりも「王者」の完成形が分からず、常に貪欲に、到達点が分からないままただ上を睨みつけて昇ろうとする男。大局を見ているようで、目先の「利」を取りこぼさないことに必死な感じがします。 #真田丸
— 道人 (@dojindo) 2016, 2月 14
こう、現場主任の本多忠勝が、「長年の取引先との信頼が」「助けを求められたら応えなくては」的なメンタルで動いてるのに対し、経営上どうするかということを第一に動いている中小企業社長・家康と、補佐役の正信との温度差が好きです。 #真田丸
— 簑輪諒@「くせものの譜」発売中 (@genkyo_kyogen) 2016, 2月 14
汁かけご飯の一件以来の北条家登場。氏政の笑顔が素敵。
(室賀の台詞で「氏直は信玄公の孫」と触れられてたのも嬉しい!)
父上も決してチートキャラではなくって、先が見えず思考もどん詰まりに陥りつつあるなか、息子との会話を経て決意、大博打の始まりじゃ!という流れがいい。#真田丸— 粉みかん@ただいま逍遥中 (@brand_new_mican) 2016, 2月 14
カッコイイ胡散臭いオッサンだらけ
策略に次ぐ策略
待って奪い合って騙しあって裏切りあう覇権争い
出し抜かないと生きていけない時代
何を信用するのか
誰を信用するのか黙れ小童!!を使いたい!
どこかで使いたい!!!#真田丸— mizutama (@knt23lc) 2016, 2月 14
信用を失うと死ぬ忍と、信用なんざ利用し尽くして溝に捨てないと生きていけない戦国武士の対比も中々に味がある。 #真田丸 pic.twitter.com/SQmpy5gpQ5
— 名前はまだ決まらない (@namaehamada_nai) 2016, 2月 14
こんな笑顔をしている人懐こそうなこの人が、後にアウトレイジばりの冷酷ヤクザにどう変貌していくのか。小日向秀吉、本当に楽しみ。 #真田丸 pic.twitter.com/pW532iotE6
— marultra54 (@marultra55) 2016, 2月 14
発言しようとすると「黙れ小童!!と怒られる大泉洋集 #真田丸 pic.twitter.com/QFBTAyCeU9
— 藤珠こと (@fujitama_koto) 2016, 2月 14
「大河ドラマとは何ぞや」的お題が回って来ますが、「史実」の隙間を「面白い創作で埋める」又は「新鮮な解釈で再構築する」事で面白い人間ドラマに仕上げた、その時代の作劇ではないかと。
あと史実への尊敬を脚本家が筆に込めてるかどうか。これが無いと大変な事になる。この点 #真田丸 は安心。— ルルフ@如法錺劔 (@hervorruf) 2016, 2月 14
織田信長、穴山梅雪、明智光秀…名だたる武将をナレーションのみで葬ってきた有働由美子・NHKアナウンサーこそが、『真田丸』の中で最強の武士(もののふ)ではないのか、という気がしてきた。#真田丸
— たえこ (@taenosuke) 2016, 2月 14
“@acrobunch: 徳川方がこういうワイプのオチで終わるホームコメディにしか見えない #真田丸 pic.twitter.com/ARfVEIZGLt”
ちょっと笑ったw
— 根津 (@n_e_z_u) 2016, 2月 14
姉ちゃんが本能寺後の混乱で行方不明になって、後日発見されるって展開、三谷幸喜の創作かと思ったら、史実だったんだ。すげえな #真田丸
— 土 (@ketsuago) 2016, 2月 14
出浦氏の「目先の欲では動かん」という言葉に、そういえば時代の覇者が愛した家臣は、そういう人が多かったなあ、と。裏切りや寝返りが多いからこそ信頼された実直な人もいたのだろう。#真田丸
— ヤコ (@yaco0x) 2016, 2月 14