2月6日に発生した地震で大きな被害を受けた台湾に対して、官民問わず迅速な反応を見せた日本。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の中で台湾出身の黄さんはその動きに「涙が出るほど感動した」と感謝を述べる一方、他国の震災すら政治利用する中国の姿勢を厳しく批判しています。
【日台中】台湾地震で恩返しの応酬を繰り返す日本と台湾、政治利用を目論む中国
台湾南部で2月6日に発生した地震では、多数の犠牲者が出ています。台南市の16階建てのビルの倒壊では、いまだ100人以上が瓦礫の下に取り残されており、懸命の救助活動が行われています。被害者の安否が気遣われます。
日本政府は地震当日の6日夜には調査チームを高雄市に派遣、さらに、100万ドル規模の支援を表明しました。これに対して、台湾では日本に対する感謝の声が渦巻いています。
● 台湾地震 19人死亡 現地入りした日本の調査チームに感謝の声相次ぐ
私も地震当日に、安倍首相がすぐに「あらゆる支援を行う」という談話を発表したことをテレビで見て、涙が出るほど感動しました。
また民間でも日本の各地で募金活動が行われ、支援の輪が広がっていることは、日本の新聞も報じていますが、台湾でも大きく報じられています。高須クリニックの高須院長が1,000万円の寄付をしてくれた、3日もたたずに7,000万円が集まった、などが話題となり、ますます台湾人の心を癒やしてくれています。私も台湾人として、感謝を申し上げます。
● 「加油! 朋友台灣」 日慈善家捐千萬助一臂之力
● 日本人踴躍捐款 不到3天就累積7,000萬日圓
日本でいち早く台湾への支援活動を展開してくれた理由として、「台湾人が3・11東日本大震災の際に200億ドルを超える義援金を送ってくれたから、そのお返し」ということを挙げている人が多いとのことです。
しかし、そもそも台湾で東日本大震災への支援活動が非常に活発だったのは、もともと親日だったということもありますが、1999年9月21日に台湾中部を襲った「台湾大地震」で、日本が各国のなかで最大規模の緊急援助隊を最初に派遣してくれ、さらに、それに続く民間ボランティアと学生ボランティアがぞくぞくと被災現場に到着したことでした。
テレビを通じて見た日本の救援隊に対し、台湾の人びとが最も感動したのは、真っ先に駆けつけた日本救援隊がハイテク機器を駆使して瓦礫の下から生存者を探し出し、昼夜を問わず救助活動にいそしむ一方、運悪く助からなかった遺体の前では整列して頭を垂れて黙祷するという一幕だったのです。「死者への悼み」の姿が台湾人の心を打ったのです。
そのため日本の救援隊が帰国するとき、飛行場に台湾人が詰めかけ、涙を拭う人たちであふれました。また、空港の税関職員といえばどの国もそっけない態度であることが通例ですが、このときの空港では、異例の総立ちで、敬礼で日本人救援隊を見送ったのです。これはじつに史上未曾有のことでした。そうしたことがあったので、台湾人は東日本大震災時に日本に恩返しがしたいという気持ちが強かったのです。
今回の台湾南部の地震では、日本から再び恩返しの支援が届きました。こうして日本と台湾がお互いに恩返しの応酬を繰り返していることは、惨事のショックにある台湾人にとって、大いに慰められることだと思います。やはり日台は「一蓮托生」の関係であると痛感します。