佐世保バーガー食べ歩きで勝手に☆でランキング
らりるれろ 西海橋店 西海市西彼町小迎郷2810
メルマガ『大原さんちの九州ダイナミック』を漫画家の妻・大原由軌子と共同配信しているライターの大原広軌です。本日も「佐世保バーガー食べ歩いて勝手に☆で評価する『ボーサセのガーバー』」をお届けいたします。
純粋に車を運転することが好きな私は、目的地を決めずにドライブに出ることがよくあります。
この日も昼食時に、佐世保が誇る絶景ポイント・西海橋を渡り、さてどこかで食事をとらなければと思っていたところにバッチリのタイミングでバーガーショップが登場しました。
店名、「らりるれろ」。なんだそれ、と思っていたら、妻が「懐かし~」と騒ぎ始めました。
話を総合するにこの「らりるれろ」、まだ佐世保バーガーなどという言葉が生まれるずっと以前、20年ほど前には佐世保市のあちこちに支店を構えており、言ってみれば「佐世保バーガーの元祖」的なお店だったとのこと。
しかし現在は佐世保市内からは完全に撤退してしまい残るは西海市のこの店舗のみ。そして、最近入手した「佐世保バーガー公式ガイドマップ」には掲載されていません。現存する店舗が「佐世保市外」ということで厳密には佐世保バーガーとはいえないという判断なのでしょうが、なんだか酷なような気もします。
そういう事情もあるのか、店頭に例の「佐世保バーガーボーイ」は立っていません。かわりにこんなのぼりが屹立しています。
せっかくなので「元祖佐世保バーガー」を食してみることにしました。
広めの店内には、すでに先客がおりまして、漫画を読みつつブツの出来上がりを待っているようです。
私たちもさっそくオーダー。基本の「ハンバーガー」とポテトにドリンク、そしてナゲットのセット(600円)を注文しました。
漫画の蔵書は500冊ほど。「昭和の正しい喫茶店」然としており、大変居心地のよかです。
妻はこの日が「初ジョジョ」だったのですが、荒木先生の筆に圧倒されているご様子です。
さらにこちら、テーブル筐体ゲームも充実しています。
テトリスのデモ画面で実際にプレイしたつもりでいる次男坊。貧乏人の子どもとして大変正しい振る舞いです。
と、バーガーが焼きあがりました。
ハンバーガー単品ならば300円。街中ですと500円近くするお店も多々あるので、良心的な金額といえるのではないでしょうか。
マクドナルドサイズよりも少々大きめなバンズに薄すぎないパティ、そして佐世保バーガーの命・レタスがたっぷりとサンドされています。肝心の味は、というと……。
自家製というバンズはとてもやわらかく甘みがあるように感じました。もちろんレタスはシャキシャキで、パティも充分合格点。「ムチャクチャうまい!」というほどのシロモノではないのかもしれないのですが、店全体の昭和感、元祖でありながら公式マップにも掲載されていないという悲哀感といった「滅びの美学」がテイストにプラスされ、好きな人にはたまらない仕上がりになっているのではないでしょうか。少なくとも私は、これまでのどのバーガーショップよりも気に入りました。
バーガーを焼いているのも人のよさそうなオヤジさんで、バイトの高校生と思しき女の子もスレておらす、お店の好感度は増すばかりです。
そんなわけで「らりるれろ 西海橋店」、超独断と偏見で最高点の星三つです。
と、ここまで書いたところで新情報をつかみました。2006年に佐世保市内から完全撤退してしまってから9年の月日が流れた今年3月、凱旋帰国ならぬ「凱旋帰市」を果たしていたというのです(らりるれろ 大野店)。この懐かしい味の「帰郷」に「久々にらりれる!」と狂喜している市民の方も多いのだとか。
これは行かないわけにはいきません。近日中に突撃し、詳細をレポートいたしますので乞うご期待、です!あ、ちなみに「らりれる」とは「らりるれろのバーガーが食べられる」という意味ですのでご心配なく。
注:各金額は取材当時のものです。
info:らりるれろ 西海橋店
『大原さんちの九州ダイナミック』
著者:大原広軌(おおはら こうき)
1969年、東京生まれ。フリーランスライター、構成作家。代表作は『精神科に行こう!(文春文庫)』。妻は漫画家の大原由軌子。2011年、家族とともに妻の実家がある長崎県佐世保市に移住。現在は夫婦でメルマガを配信しつつ、様々なメディアに寄稿する日々を送っている。
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