お子さんに注意をする際、ついつい命令口調になってしまっていませんか? 無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』によると、「生きるか死ぬか」以外の状況での命令は、子供が成長する機会を奪いかねないとのこと。では注意をどう伝えたらいいのでしょうか。もちろん具体的に説明してくださっています。
「静かにしなさい!」~命令は効果ナシ~
皆さんは子どもの頃、このような経験はありませんでしたか?
─そろそろ宿題をやろうと思ったときに「宿題やったの? 早くやっちゃいなさい」と言われ、急にやる気が失せてしまった。
─どんな好きな遊びも、親に「××でもしてなさい」と言われると楽しく感じなくなってしまった。
言うまでもありませんが、子どもは(大人もですね)命令されるのが嫌いです。でもその「命令嫌い」は、決してネガティブな性質なのではありません。むしろ「自分がどう振舞うか、自分で状況を理解し、自分でどうすべきか考え、自分で決めたい」という主体性の表れだと気付いてあげてください。
子どもは誰でも、主体性を伸ばしたいという本能的な要求を内に持っています。命令という妨害に対して、主体性の芽を守るべく無条件で反発する、というのは正常な反応なのです。そう、その「正常な反応」が、「命令嫌い」の正体だったのです。命令の内容に関わらず、どのような命令に対しても無条件に反発するというのは重要なポイントです。「ちょうど今やろうと思っていたこと」や「もともと好きなこと」さえも意欲を失わせてしまうのは、このためです。
そもそも、どうしても「命令」しなければならない場面など、そう頻繁にはありません。それこそ「生きるか死ぬか」の場面くらいです。本当にそんな状況であれば、
・絶対に聞き漏らさせないよう、大声で
・有無を言わさぬ状況を感じさせるよう、鋭い口調で
・瞬時に言われた内容が理解できるよう、短く一言で
命令する必要があります。要するに、(例えば)「とまれ!!」と怒鳴る、ということです。
逆に言えば、この言い方に違和感を感じる場面はすべて「命令」という言い方がふさわしくない場面だとも言えるでしょう。ふさわしくない場面での「命令」は、かなりの確率で命令→反発→強制→抵抗…の悪循環に陥ってしまいがち。この悪循環は、お互いにストレスが溜まるという問題もありますが、それ以上に「子どもが成長する経験を奪う」という、より大きな問題をはらんでいます。