アジアでは知名度も高い「うどん」が、今度は西欧諸国で人気の予感。イギリスが火付け役となり、ロシアにまで「うどん新風」が広がっているようです。なんちゃって日本食も多い海外で、はたして日本人も納得のうどんは広がって行くのでしょうか。
「うどん」が「ポスト・寿司 / ラーメン」の座に
世界的な日本食ブームにある昨今、英インディペンデント紙は、寿司やラーメンに続く「うどんブーム」の兆しについて報じました。
通訳は同誌ライターに、「うどんはイギリスで言うところのハム・サンドイッチですよ」と説明したとか。
この例えが適切かどうかは別として、サンドイッチのようにお手頃な食べ物として、イギリスの人々が「うどん」に興味を持ち始めているのは事実のようです。
では、このうどんブームの火付け役となったのは一体誰なのでしょうか。
それはイギリスの「Wagamama」というチェーン・レストランで、「ジンジャーチキンうどん」をメニューに加えたところ、お客さんの人気を集めたようです。
2010年には日本食レストランの「Koya」が、うどんの提供を始め、9.9ユーロの「豚味噌ヌードル」のために、寒空の下、一時間も列をなすお客さんがいるとか。
また、日本でも人気のマークス&スペンサーが先月からうどんの販売を始めるなど、イギリスでは着実にうどんの知名度が上がっているようです。
さらに、このうどんブームはイギリスに留まらず、寿司レストランが多数展開しているロシアのモスクワでも、2013年に丸亀製麺がオープンしています。
開店後は予測の2倍となる一日あたり一千人の客が来店し、列に並ぶ客がモタモタしないように、お店はビールの販売を中止するなんていう事態もおきたようです。
うどんの販売をスムーズに行うために、お酒好きのロシア人がお酒の販売を辞めるなんて、うどん人気のパワーがうかがえますね。
ロシア人のうどんに対する反応、気になりますよね。
Trip Advisorによると、ほとんどの人は「うどん」を好意的に受け入れているようです。
「とても合理的、味噌うどんは大きくて、お腹いっぱい。料理の匂いもいいし、味も新鮮でまろやか。しょっぱすぎず、甘すぎ」
「コシがあるうどんが食べられるモスクワで唯一のお店。量も多くて、味もいい!」
「チキンスープのうどんを食べたけど、最悪だったよ!」
「食中毒にあっちゃった。だけど、うどんはすごく美味しかったよ!」
「うどんは美味しくて、ユニークだった。お茶が無料なのもいいね」
「なんちゃって」うどんとの攻防に注目
しかし、海外ではまがい物の日本食が出回っているのも事実。
ロシアを含め12カ国に店舗を持つ丸亀製麺や、シンガポール、台湾、インドネシアで香川県のうどんチェーン店「たも屋」が開店するなど、日本のお店が海外に進出している場合は安心です。
ところがフランスでは、天ぷらうどんと称して、海老フライがのっているうどんが出て来たり、台湾でもタピオカの粉を練りこんだうどんが販売されているなど、やはり良くも悪くもアレンジされてしまったうどんも存在しているようです。
日本食ブームのおかげで、本場の讃岐うどんを食べに来てくれるなど、国内でも海外からのお客さんが多く見られるようになってきました。
はたして、今回ヨーロッパに出て行った新たな日本食の代表「うどん」は一人歩きをせずにオリジナルの味を保ったまま、広がっていってくれるのでしょうか。
みなさんもヨーロッパへ行った時には、始まったばかりの「うどんブーム」の経過を是非チェックしてみてください。
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Source by: 英インディペンデント
文/MAG2 NEWS編集部