2013年、ユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録されました。しかし、世界で広まりつつある日本食の中にはクオリティに問題があるものも多いとの声も。海外の日本レストランの料理のクオリティを保証するため、日本政府が新しいプログラムを導入したことに、イギリスのメディアが注目しています。
日本政府が海外和食レストランに喝!
寿司、ラーメン、やきとりに天ぷら。いま世界的に日本食がブームです。
ジャパン・タイムスによると、2015年7月時点で世界では8万8千以上のお店が日本食レストランとして登録されており、2013年が5万件だったのに対して、2年間で3万件以上も増加しているそうです。
でも、旅行や出張などで、海外の日本食レストランへ行くと、味も見た目も日本食とはちょっと違うことってありませんか?
そんな状況に喝を入れるべく、日本政府は“ 間違った和食”を取り締まるために、あるプログラムを実施すると発表しました。
見た目もカラフルな英国の寿司チェーンYo!Sushiのメニュー
image by: Yo!Sushi
英テレグラフによると、「外国人が日本の料理を台無しにすることにうんざりして、日本政府が和食の評判を守るために和食を専門とする海外のシェフ向けの新しい認定システムを導入することを計画している」と報じています。
この新プログラムは、海外の日本食レストランにおける料理の質や衛生を保証するためのもので、海外のシェフが日本へ行きトレーニングを受けなければいけないようです。
認定のレベルは、金、銀、銅の3つ。
今年にも新プログラムがスタートする予定です。
同紙はロンドンで12年間以上日本食シェフやフードライターとして活躍し、料理教室「Yuki’s Kitchen」の代表を務めるYuki Gomiさんのエピソードを紹介。
スーパーマーケットで寿司を購入したとき、「全然味がなかったし、乾いてパリパリしているはずの海苔が湿っぽかった。それに米は冷えていて固かった。何より自然の色ではなくて、着色料がつけられていた。寿司の形も正方形だったし」と話しています。
また英国と日本のあいだにある寿司文化の矛盾点による困惑についても説明。
「英国の寿司は、キャンディみたいにネタの色が明るい傾向になりやすい。日本人は着色料をつけていない自然な色を好みます」とコメント。
むしろカラフルなお寿司が英国では受け入れられているなんて、逆にびっくりしますね。
この背景には、しっかりと訓練された和食シェフを英国で雇い入れることが難しいことがあるようです。
ロンドンを拠点とする日系スーパー「ジャパン・センター」の創設者である徳峰国蔵さんは「移民法やビザ規制の変更によって、現在では英国に日本人シェフを連れて雇うことが難しくなりました。したがって、いま英国では資格を持った日本人シェフ不足に陥っていて、ローカルシェフにしっかりとした日本食のトレーニングができる人がいないのです」と英テレグラフにコメントしています。
このような問題点を考えると、新認定システムによってローカルシェフがトレーニングを受けることができれば、和食のクオリティも改善するかもしれません。
ちなみに、海外では寿司に対する固定概念がないため、奇想天外な変わった寿司作りの追求に余念がありあません。
フライドチキン&ワッフル寿司からタコス寿司まで
日本人からは決して出ないようなアイデアが満載です。
こんな寿司ネタを逆輸入してはどうでしょうか?(日本政府に怒られそうですが…)