日本でも流行の兆しを見せている、シャンプー剤をまったく使わない洗髪「湯シャン」。欧米では「ノー・プー」と呼ばれていますが、これは結局、頭皮に良いのでしょうか、それとも悪いのでしょうか? 無料メルマガ『e-doctor ドクタースマートの医学なんでも相談室』では、アメリカで起こっている専門医や大学医学部を巻き込んだ大論争を紹介しています。
シャンプーを使わない洗髪が美容のトレンドなんだって?
今日は、シャンプーを使わない洗髪が美容のトレンドなんだって?というお話です。
シャンプー剤を使わない洗髪が、新しい美容のトレンドになっているそうです。シャンプー剤に含まれる洗浄成分が、毛髪から健康的な皮脂まで落としてしまうという考えから、シャンプー剤を用いた洗髪の頻度を減らしたり、あるいは完全にやめたりする人が現れているそうです。たとえば最近、米国の著名人であるキム・カーダシアンは、5日に1回しか髪を洗わないことを明らかにしています。
米ウェストサイド・マウント・サイナイ皮膚科のLamb氏によると、この「ノー・プー」と呼ばれる方法が健康に良いかどうかは、毛髪や頭部のタイプによって大きく変わるため、一概にはいえないと述べています。
「ノー・プー」支持者は、洗浄成分の入った製品を使わずに毛髪や頭皮を洗うそうです。重曹やリンゴ酢などをシャンプー代わりに用いることもあるそう。日本では、シャンプー剤をまったく使わない洗髪を「湯シャン」と呼ぶことが多いんですって。
毛髪はタンパク質でできており、根元の皮脂腺から分泌される油分が毛髪をコーティングし、傷つかないよう保護しています。米イェール大学医学部のDonofrio氏は、「『ノー・プー』運動の背景には、毛髪に自然な皮脂を残せば、スタイリング剤は不要だという思想がある。ジェルやムース、スプレーなどのスタイリング剤は、定期的に洗髪しなければならない理由のひとつとなる。これらの製品は洗い流さなければ毛髪を痛めうるからだ」と述べています。
しかし、スタイリング剤を使わなくても、定期的にシャンプー剤を用いる理由は存在すると、複数の専門家が指摘しています。植毛外科認定専門医(ニューヨーク市)のDorin氏は、「頭皮からは、皮脂、乾いた汗、汚れ、死んだ皮膚細胞を定期的に洗い落す必要があるが、『ノー・プー』をうたう製品ではこうした汚れを十分に落とせない。また、シャンプー剤を使わない人は、真菌や細菌への感染リスクがある」と指摘しています。
Donofrio氏も、「『ノー・プー』では頭皮の炎症、フケやニキビなどが生じる可能性もある」としていますし、Lamb氏もこれに同意し、「定期的にシャンプー剤を用いることで、こうした問題をコントロールできる可能性がある。ただし、洗髪頻度に明確な決まりはなく、ちょうどよい頻度を知るには自分の頭皮で試してみるしかない。『ノー・プー』で頭皮が極めて健康になったという人もいるし、脂っぽくなったり痒くなったりする人もいる」とアドバイスしています。
そりゃあそうですよね。シャンプーを使わないで洗髪するなんて、気持ちよくないですよね。アメリカ人は、こう言う類の話が好きですよね。「新し物かぶれ」とでもいうんでしょうか? ドクタースマートは、毎日シャンプーを使って、きれいに髪を洗っていますよ。
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