前回、映画「海難1890」のロケ現場・和歌山県は海金剛の空からの映像を見せてくれた4Kドローンくん。今回は、冬場の登頂難易度はエベレスト級、私達が決して足を踏み入れることができない富士山の、「雪と地上の境界線」の空撮ムービーを届けてくれました。今年は雪が少なめとは言え、やはり霊峰富士の姿は神々しいものです。
富士山、雪と地上の境界線を4Kドローンで空撮!
下の写真は昨年12月末に撮影した富士山です。昨年10月11日に初冠雪が見られた富士山でしたが、その後暖かい日が続き、雪は1月中旬現在、まだ少なめです。とはいえ、冬の富士山は上半分が雪、下半分が土(森?)という綺麗な二層構造になっており、まるでプリンのような絵柄が定番です。
遠くからいつも見る「雪と土の境界線」は近くで見るとどうなっているのか? と思い立ち、4Kドローンで撮影を試みました。まずは動画を御覧ください。
● Fractal Snow Pattern in Mt.Fuji / 絶景 幾何学模様を纏った富士 [4K]
山開きの期間中は気軽にハイクや登山ができる富士山ですが、山が閉じると急にハードルが上がります。昨年夏に敢行した富士山頂登山(https://www.mag2.com/p/news/28878)の際には、富士山5合目まではバスで行くことができましたが、冬には各5合目まで通じる主だった道路は有料の富士スバルラインを除き概ね通行止めになります。私たちが今回目指したのは、雪と土の境界線ですので大体5合目近辺になります。具体的には宝永山の麓あたりをゴールに設定し、1合目相当の場所からハイクを開始しました。
はじめは潅木地帯。宝永山側は、300年前に噴火を経験しているので森もまだ形成途中です。
境界線(ゴール)が見えてきましたがまだまだ先は長そうです。
徐々にあたりに雪が散見されるようになりました。太陽が雲から顔を出すと、沢から一斉に水蒸気が上がります。よく見ると沢は雪と土がまるでミルフィーユのように交互に層をなしている箇所があり、土の下に眠っている雪が太陽の熱で蒸発しているのだということがわかりました。
歩くこと3時間、富士山の雪の境界線に到着しました。富士山の雪は迷彩柄のようにまだら模様になっていてびっくりしました。雪の部分は一面真っ白ではないかと想像していたからです。ただ、雪と土の境目は、ある程度「ここから」という感じではっきりとしていました。
前述の沢から立ち上がった水蒸気は、そのまま斜面を登って行き、雪に冷やされ雲になり、富士山の山肌で風にあおられ渦を巻いていました。自然の織り成す芸術的で美しい風景に圧倒されました。
いかがでしょうか。富士山の雪の境界線はこんな風になっていたなんて、想像できましたか。
ちなみに、冬の富士山は夏とはまったく違い、エベレスト級の難易度になります。山頂はマイナス30度の世界、雪のつもった部分は強い風で磨かれ、アイゼンやピッケルもつき通せないほどの固い氷の塊になっているとか…。素人の方は絶対に手を出してはいけない危険な山になります。安易な山頂登山は絶対禁物です。ご注意ください。
取材・文/クレセントエルデザイン