遂に始まったNHK大河『真田丸』。初回放送をいきなりマニアック解説

2016.01.10
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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2016年NHK大河ドラマ『真田丸』がいよいよスタートしました。脚本には、2004年の『新撰組!』以来2度目となる三谷幸喜、主演は『半沢直樹』『リーガルハイ』の堺雅人が演じることでも話題になっています。何かと見どころの多い『真田丸』をもっともっとデイープに楽しみたい……。そんな方のために、MAG2 NEWSではナワバリストと呼ばれる城郭研究家たちが、毎回のドラマをさらに楽しむためのワンポイント解説をお送りいたします。これを読むだけで今後の『真田丸』が10倍楽しく観れますよ。

今週のワンポイント(1月10日)

初回のワンポイントは新府城。この城は、七里岩の断崖を利用して築かれ、戦国の甲斐を代表する要害堅固な名城、みたいにいわれてきた。でも、実際に縄張りを分析してみると、堀がほとんど掘られていない。その一方で、曲輪はきれいにならされている。つまり、住み心地を良くすることが優先で、防禦は二の次。基本的には館の意識で造られた、巨大な館城」なのだ。だから僕は、この城を「名城」「堅城」と呼ぶ気になれない。

もうひとつ、この城で重要なのは、七里岩の断崖よりも城のすぐ横を通っている信州街道との位置関係。勝頼が、諏訪の出身であったことを思い出してほしい。ちなみに、ドラマ中で木曽義昌の妻子が磔になった、との台詞があった。木曽の妻子はたぶん、城のすぐ横の信州街道沿いに晒されたのだと思う。

ところで、新府城の櫓門の上に竹束が置いてあるのに気付いたかな? 僕があの場所を指定したわけではないのだけれど、城に竹束が置いてある映像は、大河ではたぶん初めて。竹束はこちらからも時々出てくるよ!

竹束

なお、新府城について詳しく知りたい方は、今月の『歴史群像』を読んでね!

 

《今週のワンポイントイラスト》

住み心地重視で普請した新府城。武田勝頼がここで迎えた正月はたったの一度きりでした… 真田昌幸は勝頼を岩櫃城に迎え武田家の再起を図るつもりでいましたが、事はそううまくは運ばないのです。

 

文・絵/TEAMナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)

ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組。

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