手作りのカレーが1杯200円、しかも満腹になるとあって大人気のカレーチェーン店「原価率研究所」。何がこの圧倒的な安さを可能にしているのでしょうか。その驚くべき戦略に無料メルマガ『MBAが教える企業分析』が迫ります。
「原価率研究所」の他社の追随を許さない戦略
今回は1皿200円のカレーを提供することで「食のインフラ」を目指している企業を分析します。
●今回の分析対象企業⇒原価率研究所(カレー店)
戦略分析
■戦場・競合
・戦場(顧客視点での自社の事業領域):カレー屋
・競合(お客様の選択肢):CoCo壱番屋やゴーゴーカレーといったカレーチェーンや牛丼チェーンなど。
・状況:カレーチェーンにおいて、圧倒的なシェアを獲得しているCoCo壱番屋の業績は右肩上がりとなっています。
■強み
・圧倒的な安さ、しかも満腹になる
業界最大手のCoCo壱番屋の客単価の約800円と比較すると4分の1程度と圧倒的な安さとなっています。低価格が強みの牛丼チェーンと比較しても半額程度です。
⇒上記の強みを支えるコア・コンピタンス
★菅野社長の想い(文化)と独自のカレールウ
菅野社長が東日本大震災後に新潟へ避難した際、新潟の人々に優しくしてもらった恩返しをしたいという想いが根本にあることが強みを支えています。
この想いがあるからこそ、他社が真似したいと思わないほどの低価格を実現しているといえるでしょう。
また、大手食品メーカーと共同開発した独自のカレールウがあるからこそ200円でカレーライスを提供できているといえます。
■顧客ターゲット
学生や浪人生、サラリーマン、主婦など食費を節約したい消費者
戦術分析
■売り物、売り値
メニューは下記2点のみ
・200円のカレーライス(ルウのみは150円)
・300円のチーズカレーライス
家庭的で馴染みのある味、お米は国産米を使用。飲物の取り扱いはなし(ほぼ100円の自販機で購入)
⇒メニューが増えれば、オペレーションが複雑になり、材料の在庫も抱える必要が出てくるため、低コスト実現のためには理にかなっているメニュー構成といえます。