たくさんのアイデアがあふれてくるという瞬間は「実行完了の直後」ー。そう説くのは、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さん。小さなことでもいいから何かをやり遂げることで、新しい発想が得られると説明しています。
アイデアは完了後
「アイデアがどんどんあふれてくる」という瞬間が、誰にでもあります。
その瞬間とはいつかというと、「実行完了の直後」です。
例えば、絵画や彫刻のようなある作品を創る、発表会や研修のようなイベントをやる、そんな行動を「やり終わった」直後のことですね。
なぜかというと、その時の事実や感情を新鮮に持ち、さらに「こうすればよかった」という反省点がその新鮮な事実や感情と照らし合わせられるからです。
もちろん実行途中で、細部のことに「あっ、今のはこうしたほうがよかったかも」という小さな反省もあるかもしれませんが、実行し終えたり完成し終えたりした後を見ると、「全体的にはそれでよかった」と分かったりします。
やり終えた後は、「もっとこうしたほうがよかったなー。じゃあ次は、こういう風にやってみたいなー」というアイデアがどんどん出てくるのです。
完全に失敗してもうやりたくないという場合も、「こんなのはやめて、違うものをやりたい」という別方面への発想や意欲が湧いてくるからいいことなのです。
小説家の方に話を聞いても、小説のアイデアが一番浮かんでくるのは、前の作品が書き終わった時だと言います。「この作品はこういう方面のことを書いたので、次はこっちの方面のことを書きたいな」という発想がどんどん出てくると言うのです。
「発想がどんどん出てくる」ということを実感したことがない人は大抵、何も行動を起こしていない人です。
何もやり終えることなく頭だけで考えるので、なかなかアイデアが出てこないんですね。
だから、テスト的な小さい作品や企画でもいいから最後までやってみることが大事なのです。
第1章ができれば、第2章はこうしたほうがいい、というアイデアがじゃんじゃん出てきます。
そして、気をつけて欲しいことは、このアイデアがどんどんあふれてくる「実行完了の直後」という瞬間を、大切にする、無駄にしない、ということです。
何かイベントのようなものを終えた場合に、「打ち上げ」をやってしまいます。
もちろん、関係者の方々の慰労は大切なので、「打ち上げ」の場を用意するのは重要なことです。
しかし、そこで「これで終わり。ぜーーんぶ忘れましょう!」というムードに流されて、自分もぜーーんぶ忘れてしまったら、全てがパーです。
発想がじゃんじゃん出てくる大事な瞬間をもどこかに打ち上げてしまうことになります。
なので、「打ち上げ」の場であっても、次に一緒に何かまた新しいものを創り上げたい仲間と集まって発想を交換するのがいいでしょう。
「打ち上げ」の場の中心に自分が必要な時には、「打ち上げ」が終了した後すぐに、みんなが「打ち上げ」のための二次会に行くのとは別に、次を創る仲間だけで「次を創る」ための二次会に行って、次を創るために話し合えばいいのです。
「次に何をやるか」は、改めて一週間後に会議の場を設けるよりも、そのように終了直後に話すほうが一番効果的なのです。
ちなみに私はこのような、何かをやり遂げた直後に発想が湧き出てくる瞬間を「賢者タイム」と呼ぼうとしたのですが周囲から「その呼び名だけはやめろ」と止められました……。
まあとにかく、何かをやり遂げた後すぐに、そういう発想が湧き出る瞬間があるのです。
発想がどんどんあふれてくる環境を作るために、小さなことでもいいから、まずは何かをやり遂げてみましょう。
そして、そのやり遂げた直後に出てくる発想を大事にしましょう。
そんな、完了後の発想を大事にする仕組みを自分の中につくっておくといいでしょう。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
・何かを完了した後に出てくる発想や反省点を書き留める「完了後メモ」という習慣をつけるとする。何を終了した後に書くものか、自分で決める。
・その行動の終了後、何分後までにそのメモを書くのか、必ず何を書くのか、そのルールを決めてノートに書く。
・今日から実際にやってみる。
image by: Shutterstock
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