韓国は日本のダンスフェスの収益を吸い上げている?高城剛独占インタビュー第3弾

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高城剛独占インタビュー第1弾第2弾に続き、第3弾となる今回は、音楽について。握手券やイベントチケットが主流となった日本の音楽。「その国で売れている音楽を見ると、その国の真実がわかる」と言う高城さん。高城さんの目に日本はどう映っているのでしょうか。また世界の音楽シーンの移り変わりにも注目です。

音楽で韓国とアメリカに搾取される日本

―歌や音楽についても知らないんですか?

日本の歌は全く知りませんね。イビサでかかってる曲とかはわかりますよ。世界の音楽シーンがどうなっているかはわかりますけど、日本で売れている歌はほとんどわからないのです。よく僕は、その国で売れている音楽を見ると、その国の真実がわかる、と話します。当たり前ですが、良い楽曲が売れるわけで、もしTOP10見て良い楽曲が入っていないようであれば、その国は極めて不透明で前近代的システムが横行していることが明らかなんです。その点では、日本は経済大国ですが先進国ではありませんね。だから、日本のいまの歌に興味ないんです。

―音楽についても音のソリッド化みたいなのはあるんですか? EDMが日本で流行していますが、昔からすると単調な音楽のような気がします。あれもソリッド化の影響ですかね。

EDMはイビサの7~8年前くらいのトレンドです。イビサでヒットすると、3年後くらいにグラミー賞を取ったり、世界的な流行になるんですよ。その2~3年後に日本で流行る。ですので5~6年くらいイビサのほうが早い感じです。チケット10万枚が1秒で売り切れる音楽フェス「Tomorrowland」なども欧州にはあり、あれはまだ華美というかユーロバブル時代の徒花ですよね。最近の音楽はもっと単調で、ジャンルで言えばミニマルって呼ばれてますが、それは何が面白いんだっていうくらい単調。それが2~3年くらい前のトレンドです。

―今のイビサの音楽のトレンドはどうなっているんですか?

イビサには、世界各国からDJがやって来ます。その地元の曲をミニマルの上に混ぜるのが2~3年前くらいから流行ってて、僕だと和太鼓とかを混ぜるというかミックスします。南米から来たDJは南米の民謡とかを混ぜてますね。音楽そのものがどんどん「刷新された地域化」しているんですよ。EDMっていうのは、今やグローバリゼーションのダサさの象徴かな。

―日本では最先端ですけどね(笑)

「おいおい今これかい、これはもう聞かないだろ」っていうような。大学生の宴会ソングっていうか(笑)、ユーロバブルっていうか。リーマンショック前までの音楽だと思います。だから、シャンパンが似合うというか。

―グローバルからまたリージョン(地域)の方に音楽の世界は向かっているわけですか?

そうですね。グローバルからリージョンに分かれていっていますが、古い地域概念ではなく、刷新されていますね。実際、世界中で地域独立の動きも激しいですよね。スコットランドやカタルーニャとか、そして中東も。音楽も同じで、ベーシックなグローバリゼーションのトレンドの上に、自らのアイデンティティを出す。カタルーニャ独立ってEUの中のカタルーニャですからね。我々はEU、でもスペインじゃなくてカタルーニャだ。スコットランドもそうで、別にヨーロッパから離れて宇宙に行くって話ではなくて、あくまでもイギリスにいるけど独立する。あくまでもEUの中のパート・オブ・メンバーというか、そういう感じですね。音楽もそう。土台はグローバリゼーション。それもすごいシンプルで最低限なグローバリゼーションで、その上にアイデンティティとしての地域音楽を乗せるのが、今後世界に少しづつ浸透していくと思いますよ。

―そういう世界のムードやトレンドというのは、音楽が先行していく気がするんですけど。

社会システムが先かな。続いて音楽。まず経済変化とか社会変化があって、その動きに対して音楽が表層として出てきて。先頭のチームの人達がやっているものを、次の人達が産業化していくわけです。それが遅れて来て、極東の島に流れつくのが5~6年後、という感じですかね

DJの世界では、そういう感覚に冴えているリミキサーはどんどんギャラが高くなって、1時間5000万円とか。いまだと3000万円だと断るっていう人が結構多いですね。もちろん時給ですよ(笑)。古いグローバリゼーションだけのDJは、ラスベガスに流れ着きますね。続いてマイアミ。セリーヌ・ディオンと一緒ですよ。

―トップDJは年収60億とか言いますもんね。数年前からそういう人達が出てきましたね。DJバブルですかね。

DJギャラのインフレですよね。量的緩和の対局地。グローバリゼーションと共に開いた徒花です。今の時点ではバブルかどうかわかりませんけど、受け皿として巨大な会場やフェスがいっぱいできたのも大きいと思いますよ。今後、クラブも大型化や地域振興に向かうでしょう。コンベンションより人来ますから、MICEとか言ってる時代じゃないですよね。

あまり知られていませんが、日本でやっている大きなダンスイベントは韓国が持ってるライセンスを借りて、韓国にお金を払ってるんです。じつは、韓国がアジアのダンスミュージックの先頭なんですよ。その大元のライセンスはアメリカ。だから韓国とアメリカに日本のダンスフェスの収益は吸い上げられているわけで、儲けは全部海外に持って行かれちゃうんです。もちろん、来場者はなにも知りませんが、これもグローバルシステムですよね。産業が疲弊するはずです。

———— このインタビューの全編は—————

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著者:高城 剛
コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。毎週お届けする『高城未来研究所「Future Report」』では、今後世界はどのように変わっていくのか、私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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