日本にも大きな被害をもたらしている、北京のPM2.5大気汚染問題。なぜ、中国は深刻な大気汚染問題に真剣に取り組もうとしないのでしょうか。そこには、習近平氏の「ある思惑」が見え隠れしていると、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』は伝えています。その思惑と真意とは……。
【中国】習近平の見栄が中国最悪の大気汚染を招いた
●<中国>大気汚染、最高レベル警報を初発令=交通規制など緊急措置へ─北京市
北京の大気汚染がついに赤色警報になりました。北京市は、大気汚染の汚染レベルを青色、黄色、オレンジ色、赤色の4段階に分けて表示しており、赤色警報が発令されるのは初めてだそうです。
それにより、学校は休校、工事現場も休止となりました。この数日前にはオレンジ色警報が発令されましたが、その時すでにPM2.5の濃度が一部地域で1000マイクログラム近くに達したけれど、赤色ではなくオレンジ色警報にとどまったのは、交通規制などで社会が混乱することを避けるためだったとの批判もありました。
大気汚染の原因は、以前からあらゆるメディアで指摘されているし、読者の皆さんもすでにご存知なので詳しくは述べませんが、石炭の使用の多さです。
中国の石炭火力発電は全電力の約8割も占めています。しかも煤煙を防ぐ装置もほとんど付けられていません。
加えて、冬は人民が石炭を燃やして暖を取る生活をしているため、よりいっそう大気汚染が進むのです。
中国人民の生活は、日本の終戦直後と変わりません。大都市といわれる北京市内でさえ、富裕層は一握りであり、多くの人民は石炭を燃やし暖を取り、不衛生な環境で調理をし、つぎはぎだらけの服を着て冬を越すのです。北京の地下道で暮らすネズミ族は100万人とも言われています。
今年一年、中国は積極的に外交を進めてきました。東南アジア、東アジア、欧米、南米と、習近平は世界のあらゆる国へ出向いては、大盤振る舞いの国家支援を申し出て友好関係を強調してきました。記憶にも新しいですが、訪米の際にはボーイングの旅客機を300機も発注して世界を仰天させました。
インドネシアでの新幹線事業の落札も、日本と競っているように見えましたが、その実は巧みな外交と潤沢な資金提供によって、入札以前に勝負はついていたと言われています。
中国は、インドネシア政府に財政負担や債務保証を要求しないという条件を出して新幹線事業を落札したのです。常識では考えられないような条件を出し、欲しいものは手に入れる。そして、「損して得獲れ」との言葉通り、インドネシアでのインフラ投資を手中にすることで中国の一帯一路構想を着実に進めているつもりなのでしょう。
しかし、こうした世界での大盤振る舞いに対し、中国国内での不満が高まっています。さながら観光客の爆買い同様、習近平は各国で大金をばらまいています。しかし、観光客と違うのは、習近平がばらまいているお金は人民から徴収した税金だという点です。