お客様を笑顔で迎えるのは得意だけど、ついついお客様が入ってきたことに気づかず、油断しているところを見られた…なんて経験ありませんか? メルマガ『目指せ! 販売の達人 ~販売力向上講座~』の著者、坂本りゅういちさんが、視野を意識することで、そのようなミスを防ぐことができると教えてくれました。
わかっちゃいるけどやめられない
こんにちは、坂本りゅういちです。
この数年、街で『スマホ歩きは危ない』という言葉をよく耳にします。
携帯電話が普及し始めた頃から、歩きながら携帯を見ている人が増えて危惧されていました。
携帯よりもさらに情報量の多いスマートフォンがこれだけ普及した現代では、歩きながらでもスマホを見ていたいのか全く正面を見ずに下を向いて歩いている人が大勢います。
当然これによるトラブルも頻発していて、前から来る歩行者にぶつかったり線路へ転落してしまったりと危険な行為とみなされています。
日本だけではなく、海外でも同様の現象は起こっているようで、スマホ歩きをしている人たちは皮肉を込めて『スマホゾンビ』と呼ばれるそうです。
実はこのスマホ歩きと同じことが店頭でも起きています。
作業をしていたり、パソコンの画面とにらめっこしたりしていて、お客様の来店や退店に気づかない人が多くいますよね。
それが原因でお客様に不快な思いをさせてしまうのですが、あれと全く同じことです。
スマホ歩きも、店頭でお客様に気づかないのも、本人たちはまずいことだとわかっているのになぜやってしまうのか。
それは『気づけないことを知らない』からです。
人間の視野角(目で見える範囲)は諸説ありますが、左右に約200度、上下で約110度と言われています。
ただものごとに集中するとこの視野は一気に狭まるのだそうです。
そうすると自分で想像している以上に周りが見えなくなっているのですね。
スマホ歩きをしている人は、自分の想像以上に周りが見えなくなることを知らないのです。
だから普段通りの感覚でスマホを見ながら歩いても前から人が来たら気づけるのだと勘違いして、下を向きながら歩いてしまいます。
店頭でお客様に気づけない販売員も同じ。
作業をしていると集中して視野が狭まってしまい、周りが見えなくなることを知らないので、「誰か入ってきたらわかるはず」という勘違いのまま、レジでお金を数え始めたりします。
結果、全然周りは見えていないのでお客様から声をかけられてようやく気づくという事態になってしまうわけです。
こういう販売員としては落第なミスをしない人は、自分が作業をする時にどれだけ周囲の情報が入ってこなくなるのか理解しています。
だから作業をする時も、極力下を向かないような位置で行なったり、入り口が視界に入る場所で作業をしたりするのです。
そうすれば集中していても誰かがやってきたことにすぐに気づけるとわかっているから。
スマホ歩きをしない人も、自分が歩きながらスマホをいじっていたら確実に正面から来た人を避けられないと理解しています。
それだけ集中してしまい危険なことだとわかっているからです。
「わかっちゃいるけどやめられない」は嘘です。
それはただ理解できていないだけ。本当にわかってなどいないだけです。
お客様に気づけない販売員など、そこにいる意味はありません。
自分が何かをする時にどれだけ周りのことが見えなくなるのかを知って行動してください。
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