『ママチャリで日本一周中の悪魔』として、日本中にその名が轟き始めているという噂の、大魔王ポルポルさん。香川県高松市で骨付鶏をかじっていたかと思えば、今度は阿波踊りとすだちと大鳴門橋でおなじみの徳島へ。ここで、また新たなコッテコテのB級ローカルフードを見つけてしまったようで……。
悪魔が来りて殻を割る…生卵13個地獄の徳島ラーメン
徳島を訪れた大魔王ポルポルは、徳島でどうしても食べたかった物がある。
徳島のB級グルメの代表格である徳島ラーメンだ。
茶色く濁ったスープに豚バラ肉のトッピング、そして真ん中に生卵が乗っているのが特徴のラーメン。
「胃袋を制する者は世界を制する」
徳島県を「徳し魔」へと変えるべく、
さっそく、我輩は徳島ラーメンで有名な「いのたに」というラーメン屋へ向かった。
「あのー、すみません……ガッハッハッハ……」
と恐るおそる店内に入ると、中は活気にあふれていた。
いのたには数々の著名人が訪れる名店。店内の壁には多くのサイン色紙がビッシリと貼られていた。
ミーハー魂全開の我輩は、
「こ、これなんて芸人やろ……わ!オレンジレンジが来てる―!」
などとウキウキしていたら、徳島ラーメンが目の前に献上されてきた(もちろん有料)。
噂どおり、茶色いスープに豚バラ肉が乗っており、真ん中には生卵が浮かんでいた。
そして、こってり醤油のイイ匂いがしてくる。
この匂いが、鼻の奥を刺激し、食欲をそそるのだ。
「ガッハッハッハ! 何とも旨そうな匂いである。では、さっそく食してやろうではないか」
と、豪快に卵を箸で割り、麺に絡めてズルズルと音を立てて頬張る。
「くっ! び、び、美味……」
ズルズルと音を立てながら箸を進める。ズルズルズルズル……箸の勢いは止まらない。
さらに麺の上には豚バラの下僕が乗っている。
これも甘辛スープで煮込まれており、味がよく染みてて旨い。ラーメンとの相性も絶妙だ。
ズルズルズルズル……我輩はあっという間に食べきってしまった。
「……ちっ! な、なかなか美味ではないか! 見直したぞ……。だがしかし! これだけでは我輩の腹は満たされん! 次の現場へ行くのだ」
と、独り言を言って、違うお店へ行くことに。我輩は、まんまと徳島ラーメンにハマってしまったようだ。
次に大魔王が標的としたのは、「ラーメン東大」。
ラーメン界の東大を目指す、というクレイジーなお店である(我輩に言われたくないだろうがな)。
この店の特徴は、何といっても生卵が入れ放題であるところ。
生卵、と言えば、大魔王。行かない理由が見つからない。
だが、その前に……。
「徳島駅前の大判焼き屋は非常に美味だ。ガッハッハッハ!!」
と、魔界の閻魔様(まぐまぐ社長)も一押しの大判焼き屋が徳島駅前にあるというのだ。徳島ラーメンでこってりした口の中を、甘いもので中和させておきたい我輩は、折角なので大判焼き屋「あたりや」へ立ち寄ることにした。
「あのー、大判焼きを2つ……おねがいします」と、大魔王らしからぬ腰の低い態度で2つ注文。
出来立てホクホクの大判焼き、中には餡子がぎっしり詰まっている。一口食べると甘すぎず絶妙な味で美味だ。
「ムム!! 懐かしき味、(ニンゲン界の)昔を思い出す」
まるでおばあちゃんの味を思い出させるかのような美味さだ、我輩はそう思った。
「おーーっと、いかんいかん!」
我に返った大魔王は次なる徳島ラーメンを支配しにラーメン東大へ向かった。
「ガッハッハッハ!ニンゲンども、ココで一番うまいラーメンを用意するのだ。そして、そのラーメンに店中の生卵をすべて入れて食べてやろう。ガッハッハッハ!」
と、(心の中で)威厳たっぷりに叫びながら店に入ると、店員は慌ててラーメンを作り出した。やはり、店内がざわつき始めた。
間もなくしてラーメン東大特製の徳島ラーメンが我輩の目の前に献上された。
そして出てきた徳島ラーメンの上に我輩は生卵を落としていく。
「ニンゲンども! 生卵フェスティバルの始まりだ、ガッハッハッハ!」
と、1つ……ガッハッハッハ!……
2つ……ガッハッハッハ!……
3つ……ガッハッハッハ!……と、生卵を次々と落としていく。
「生卵無料」と謳っているラーメン東大は怒ることができない。
店員は黙って「生卵フェスティバル」を見るしかない。ラーメン東大に闇が覆いかぶさったのだ。
「ガッハッハッハ! なんと素晴らしい光景であるか」
気が付けば、ラーメンの器には9個の卵が浮かび上がっていた。
そして10個目の卵を入れた、そのとき! 入れた反動でスープがこぼれた。
「や、や、やばい! こぼれる!」
生卵を入れすぎたせいでドボドボと器からスープと白身がこぼれていく。
い、入れすぎた……と思った我輩は、こぼれたものをティッシュでふき取る。拭いても拭いてもドンドンこぼれてくる。
何とむなしい光景だったか……。
しかし、ここで終わらないのが我輩。拭き終わって、その分の体積がなくなったので、また卵を入れ始めた。
ガッハッハッハ!
という叫び声が店内に響き渡ること15分。実に13個の卵を入れることができた。
「ガッハッハッハ! まっ、これ以上入れると店側にかえって迷惑である。今日はこれぐらいにしておいてやろう。ガッハッハッハ!」
と、徳島ラーメンを食べ始めた。いや、「徳し魔ラーメン」を食べ始めた。
卵を1つ箸で割り、麺と絡めて口の中に入れていく。
ズルズルより、ゴクゴクに近い喉越し。
もちろんスープは冷め切ってしまっている。卵だらけで、なかなか麺が出てこない。
それでもゴクゴクと食べ進めていく。
「う、うまい……」
どうやら、徳島ラーメンは卵を入れすぎても旨くなるように味付けされている。
濃い目の醤油味が卵と相性抜群で、入れすぎても大丈夫なのだ。
そんな徳島グルメを満喫した我輩は、徳島を「徳し魔」へと征服するのを忘れてしまった。
そんな大魔王ポルポルの旅は続く……。
おまけ
運動をして疲れた体には「ザ・すだち」というジュースがおススメ。
「ガッハッハッハ! 魔魔チャリ(ママチャリ)を漕いだ後のすだちは格別なのだ。さわやかな喉越しで、とても美味なのだ」
と、ママチャリを漕いだ後におすすめのジュースです。
DATA:
いのたに 本店
住所:徳島県徳島市西大工町4-25
営業時間:
10:30~17:00(売切れ次第終了)
定休日:月曜日(祝祭日の場合は翌日休み)
ラーメン東大 大道本店
住所:徳島県徳島市大道1-36
営業時間:
11:00~翌4:00
定休日:年中無休
メルマガ『大魔王ポルポルの日本征服の旅』
著者/大魔王ポルポル
日本一周の旅をしている大魔王ポルポルである。旅の裏側、隠れた小話など話したいことは盛り沢山!! だがしかし! タダで公開はできない。メールマガジンで日本のいろいろなことを掲載するのだ。メルマガに記載のアドレスに悩みや質問を送ってくれればメルマガで公開回答するぞ! ガッハッハッハ!!