海外在住の日本人が、その土地のユニークな話題を紹介する『出たっきり邦人【北米・オセアニア編】』。今回はカナダ在住のmikaさんが先日あった総選挙でのとある出来事にカルチャーショックを受けたエピソードで楽しませてくれています。
カナダで総選挙
さて、先日カナダで総選挙がありました。ハーパー氏率いる保守党が、4選なるか? というのが焦点だったのですが、結局は、自由党が圧倒的多数で勝利を収めました。
この選挙で、驚いたのは、若者の政治・選挙への関心の高さです。日本で生まれ育った私には、選挙期間中の応援カーの音がウルサいくらいで、学生時代、いや、大学を卒業してからも、各政治家・政党の政策はおろか、政治に参加しようという気もまったくありませんでした。
それが、今回の総選挙、まずは、小1の息子が、「お友達のVちゃんは、ハーパーが嫌いなんだって」というところからはじまり、選挙が近づいてくるにしたがって、息子のコメントが段々と詳細に渡り始め、「やっぱり自由党が次を取らないと、カナダは変われないんだよ」などと言い出す始末。
友人の小5になる息子さんも、各政党の公約を熟知しており、その公約から自分の生活などを考えて、「保守党の考え方もわかるところはあるけれど、経済面ばかり追わずに、やはり環境面なども考えていかないと」なんてコメントを。
さらには、選挙当日、私がテニスのレッスンを受けていると、20代のコーチ達が、いつもは持っていないスマートフォンを片手に、逐一、開票結果をチェックして、みんなにニュース速報として伝える始末。そして、テニス仲間の皆さんも興味津々で聞いている感じ。
私の知っている日本では、まったく見られない、この光景に、本当にびっくりしてしまいました。投票率は68.5%!すごいなぁ、と思って、同僚に言うと、「え~でも、70%に満たないのはやっぱり少ないと思う」とのコメント。
ついつい、学校で選挙の話を先生達がしているから子供達もよく知ってるんだと思い、息子に聞いたところ、学校で先生はまったく選挙や政治の話をしない、とのこと。ただ、子供達が親や親戚から聞いて関心を持ったという感じなのです。
いやぁ、その政治への関心の高さにビックリしました。選挙翌日、朝起きた息子の第一声は「どの党が勝った?」というもの。そしてその日の帰りに迎えに行くと、「ジャスティン(トルドー)が勝ったから、これからカナダは変わるよ」って。
いやはや、海外に移り住んで20年。一番カルチャーショックを感じたひとときでした。
では!
ノースバンよりmikaでした。
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