深刻な不動産の「2015年問題」、あなたの県の土地価格はどこまで下がる?

2015.10.26
by kousei_saho
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不動産業界には「2015年問題」というのがあるそうです。日本はすでに人口が減少し、2015年からは、明治以降初めて「人口減と世帯数の減少」に向かうというもの。東大卒の人気コンサルタント・吉田繁治さんのメルマガによると、今後25年で日本全国で地価は平均40%も下落するのだとか。あなたの県の下落率、ご確認ください。

過去の市街地価格の推移

日本の地価がどうなってきたか、以下に示します。(※編集部注:県の下落率を先に知りたい方は2ページ目以降を御覧ください

 

 

6大都市

 

 

全国

 

 

住宅地

商業地

工業地

住宅地

商業地

工業地

1955年

100

100

100

100

100

100

1965年

1,038

696

1,514

707

712

911

1975年

3,836

3,163

3,963

2,969

2,348

2,765

1985年

7,817

3,163

5,718

5,481

3,361

3,796

1991年

21,002

12,741

14,980

8,074

5,954

5,737

1995年

11,813

5,172

9,699

7,336

4,787

5,323

地価の長期的動向(PDF)

1955年(昭和30年)を100とした用途別の地価の推移です。1991年がわが国の地価のピークでした。

6大都市の住宅地は36年間で210に、商業地は127、工業地は149に上がっています。

年率平均では、住宅地は16%上昇しています。商業地が年率平均14%、工業地でも年率平均15%の値上がりがあったのです。

6大都市では、戦後から1991年までの46年間は、住宅を買って持っていれば、建物はゼロでもその資産価格は、買った時の200倍以上にもなった時代でした。30万円で買ったものが6,000万円というイメージでしょう。こんな時代があったのです。

1970年の世帯数は2,989万でした。1991年は4,051万世帯です。世帯数は21年間で1,062万世帯(36%)も増えています。年率では1.5%の増加です。世帯数の1.5%の増加が、地価を毎年16%上げていたのです。

全国では住宅地は36年間で80倍に、商業地は59倍、工業地も57倍に上がっています。上がり方は、6大都市の30~50%でした。

バブル崩壊後の1995年は、はじめて$1=79円と80円以下になった時期でしたが、6大都市の地価は、住宅地が56%に、商業地41%に、工業地は65%に下がっています。

ただし、もともと上がり方が少なかった6大都市以外では、住宅地は91%、商業地80%、工業地93%と下がり方は穏やかでした。1995年までは、全国の世帯数は増えていたからです。世帯数が増えれば、住宅需要は増えます。

次は、資産バブル崩壊後の1995年から2014年までの地価です。5年毎に示します。

 

 

6大都市

 

 

全国

 

 

住宅地

商業地

工業地

住宅地

商業地

工業地

1995年

11,813

5,172

9,699

7,336

4,787

5,323

2000年

9,401

2,453

7,357

6,564

3,108

4,700

2005年

7,289

1,653

4,486

5,074

1,884

3,346

2010年

7,291

1,842

4,230

4,429

1,559

2,800

2014年

7,241

1,784

4,097

4,020

1,364

2,445

 6大都市の住宅地は、バブル崩壊後4年目の1995年の11,813から、2014年は7,241へと61%に下がっています。ただし大きく下がったのは2005年ころの7,289までです。その後の9年は、7,200台を保っています。

全国の世帯数で言えば、1995年は4,077万世帯、2014年は5,043万世帯です。1人住まいと夫婦2名だけの世帯が966万世帯(24%)増えたのですが、住宅地を上げるような需要ではなかった

・2005年以降、6大都市の住宅地は大きくは下がらなくなっているとは言えます。日銀の利下げ(1998年から短期ゼロ金利)が住宅ローン金利の低下を生み、住宅需要を支えていると言えます。商業地、工業地もほぼ類似の傾向です。

・2005年以降、大きく下がっているのは、全国の商業地です。1,884から1,364にまで、520(28%)も下げています。これが示すのは、都市部の商店数の減少です。商店街と都心部の商店が、大きく減ってきたのです。商店数とオフィスが増えれば、商業地の地価は上がります。

・なお、全国の住宅地は、2005年の5074から4,020(2014年)へと、9年で20%も下がっています。同じ時期の6大都市は、7,289から7,241とほとんど横ばいです。原因は、6大都市では、世帯数の減少がなく、むしろ増加したのに、全国ベースで言うと、地方都市で、世帯数の減少が始まったからです。

・都市や地域の居住世帯が、仮に1%以下であっても減った場合、10年で20%くらいの地価下落があるということは、今後の地価として原則化できると思えます。

これは、地域の名目GDPが3%の増加を続けても言えることです。地価は、地域の人口の増減という要因で、大きく左右されます。経済的な要因(地域のGDP=所得)よりはるかに、人口要因の影響が大きいのです。

不動産については販売する側は、いつも「今が底値」と言います。下がると言えば、つけた価格では、売れないことになるからです。

われわれは、地価について、冷静な目をもっていなければならない。個人の、将来の生活プランにおいても、会社経営においても、不動産の将来価格は、肝心な要素になるでしょう。

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