読者から寄せられた様々な質問に、人気コンサルの永江一石さんがズバリ答える『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』。今回は、ウェブマガジンを立ち上げ将来的には広告も……と考えている読者に対し、「その前にやることがあるだろ」とばかりにダメ出しを展開。さて、気になるその内容は?
ハワイのブログをビジネスにしたい
Question
8月よりハワイで仕事をスタートさせ、その1つとして、ウェブマガジンをやっております。
「俺たちのハワイ」というタイトルで、日々更新しておりますが、そのUUは100~150名で推移している状況です。将来的にはバナー広告ではなく、タイアップ広告をメインに狙い、編集色の強いコンテンツにすることで、ユーザーアクションを図り、収益化を図りたいと思っております。
バズるための永江さんの記事を拝見して、
・訪問者の役に立つ事。
・何度も来たいと思うこと。
・みんなに知らせたくなること
・タイトルに気をつけること、
どうこの先オーガニックに増やしていくことができる方法があるかをお聞かせ頂けると嬉しいです。
(因にライターとして、現在、街角のクリエイティブという日本のウェブマガジンで執筆しており、来月より、LIGという会社のオウンドメディアでライティングを行う予定です。)
宜しくお願い申し上げます。
永江一石さんの回答
実はわたし、昔ハワイ島の移住本を書きまして、3万部以上売れていまでもマガジンハウスの単行本の歴代2位にいるはずです。
ぱっと見の感想をいいます。
ズバリ、誰に向けてのメディアかさっぱりわかりません……コンセプトみますと「せっかくハワイに住んだのだから、これから来る人にも」とあるので、これは「ハワイに移住したい人」向けですか?
だとすると、こういう内容じゃなくてハワイの不動産紹介とか、子供を通わせる学校とか生活に密接した、つまり「移住者が知りたい内容」のものでないと人は来ませんよね。カフェとかは別に移住すればわかるんで、事前に調べようなんて人はいないでしょう。
では観光客向けか……というと、ハワイにいって火鍋やラーメン食べたいと思う人はそうそういないし、逆に言うと「ハワイに行ってまで食べたい火鍋やラーメン」ならまだわかりますが、不味かった話を書いても全く役に立ちません。
つまりこの内容は、「ハワイに住んだ俺様がハワイ生活を楽しんでる」というブログに過ぎず、今日何を食べたとか、今日は何したとか、いわばアメブロの個人ブログみたいなもので、全然メディアじゃないんです。
メディアというのは、「想定する読者がいる」→「その読者が読みたいであろうコンテンツを揃える」わけで、その視点が全くありません。
また、紹介しているものも、地図もなければ住所もなく営業時間もない……リンクがあるものもあるけど、自分で探せと? 自分のサイトから離脱させてどうすんの的な。
ぶっちゃけ、最初にしないといけないのは上の作業で、「書きたい物を書く」「書ける物を書く」というスタンスから、「対象の読者が読みたい物を書く」(自分に興味がなくても)ようにしないとメディアではないため、当然ビジネスとしては成立しません。
実際に編集作業というか、最低限の「台割」から作らないとダメでしょうね。
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