O2O=オンライン・ツー・オフライン
ネット上(オンライン)から、ネット外(オフライン)の行動へと促す施策や、オンラインによってオフラインでの購買行動に影響を与えるような施策のことを指すこの言葉。近年、耳にすることが多くなってきており、ネットとリアルの融合として様々な業態で色々な取り組みが生まれてきています。
現在、セガのスマホゲーム『モンスターギア』と、ケンタッキーフライドチキン(KFC)もO2Oの取り組みを実施中。開催期間中(10 月 21 日(水)まで)にゲーム内のお知らせに表示される「クーポン」を KFC 店舗で見せて「モンギアセット」 を購入すると、抽選でレアアイテムが当たる限定チケットがプレゼントされるというもの。
そこで今回注目したのは、スマホゲームとリアルの融合。セガとKFCそれぞれに、O2Oの取り組みメリットを聞いてきました。
セガ「コラボさせていただいた『モンスターギア』は、顔を合わせて一緒にゲームを楽しんでもらいたいというコンセプトと、実際にその場所の近くに行かなければ挑戦できない地域限定クエストという試みを行っています。
そこで、KFCさんは全国展開されていますし、KFCに来店して一緒に食べながらプレイできる、という場所をユーザーに提供できるという意味合いから、コラボさせていただきました」
KFC「ゲームタイトルとタイアップさせていただくことで、普段なかなかご来店頂いていないお客様にご来店頂き、チキンとゲームを楽しんでいただく機会になればと思い、コラボレーションさせていただいています。
前回、ぷよぷよクエストというゲームでもコラボさせていただいたのですが、期間中に新規顧客がすごく増えました。普段は30〜40代の女性のお客様が多いのですが、期間中は20〜30代の男性に多く来店頂き、メインターゲットではないお客様にも楽しんでいただけているのかなと思います。久しぶりに食べたけど美味しいねという声をいただいた時が一番、店舗としても、今まで来ていただけていなかった層の方が来ていると実感できましたね」
今回のコラボでは、セガ側の友達同士でアプリを遊べる場所を提供したいという思いと、KFC側の新規のお客に店舗まで足を運んでもらいたいという思いが合致してのコラボとのことでした。
またKFC側には「子供の頃には利用していただいていたけれども、大学、社会人の方の一旦忘れる時期があるのかなと。その時期の方たちがゲームを通してまた戻ってきていただけたら」といった狙いもあるとのこと。確かに帰りの電車の中などで行うスマホゲームだからこそ、帰りによってみようかな、と思わせることができるかもしれません。
スマホゲーム×自治体。進むO2O
この他にも、Tカードの使用履歴や店舗の利用履歴などをゲームに反映する「TSUTAYA オンラインゲーム」や、ヤマダ電機の店頭と連携する「ヤマダゲーム」など、O2Oは着々と広まりを見せています。
また、このO2Oの流れに、地方自治体も目をつけ始めています。
直近では、岩手県とモバイルファクトリーの連携協定が締結され、その第一弾として、全国9,000以上の駅を奪い合っていく位置情報連動型ゲーム「ステーションメモリーズ!」とのコラボが発表されました。
モバイルファクトリーは、スマートフォンの位置情報サービスを活用したゲームを多く展開。中でもアプリ「駅奪取PLUS」は、2015年1月に復興支援イベントとして岩手・三陸鉄道コラボし、約400人がアプリを通じて岩手を訪問したそうです。この実績が認められ、この度の連携協定へと結びついたとのこと。
岩手県副知事の千葉氏は、「ゲームを通して地域情報をまるごと発信することで、楽しみながら訪問してもらい、ファンが増えてほしい」とコメント。
そしてモバイルファクトリー代表取締役の宮嶌氏からは、「ユーザーにリアルな体験をしていただくために、鉄道事業者、企業を巻き込んだ企画を展開する」と話してくれました。
こうした地方創生にも一役買うO2O。これからは、企業と企業だけでなく、企業と地方、企業と国といった広がりが生まれてくるかもしれません。それぞれの特徴を活かした取り組みで、我々消費者にオンラインとオフラインが融合した新たな楽しみ方を提案してくれるコラボがどんどん登場する日も近いのでしょうね。
souce:ケンタッキーフライドチキン✕セガ
文/横田吉木