アパレル社長としても活躍!伝説のキャバ嬢・愛沢えみりさんを成功へ導いた“地道な努力”と“ブレない強さ”
女社長の交友録
弊誌メルマガ『まぐwoman』での連載企画でおなじみの、幅広い交友関係を持つアパレル会社社長・藤島彩子社長が、いまをときめく働く女性に直撃インタビュー! 親しい間柄だからこそ引き出せる、美しきカリスマたちの素顔をお届けします☆
アパレル業界も注目する急成長ブランド
『エミリアウィズ』プロデューサーの素顔は超自然体
藤島社長(以下、藤) 一緒にお仕事させてもらうようになって半年くらいですけど、こうやってじっくりお話しするのって初めてですよね。というか、初めて会った時、えみりちゃんすっぴんだったよね(笑)。
愛沢えみりさん(以下、え) ちゃんとメイクしてるときにお会いするのは初めてかもしれないです(笑)。商談とか仕事のお話のときは基本すっぴんが多いので。
藤 いや、すごいやり手のキャバ嬢と聞いてたから最初は緊張してたんですよね。でも、実際に話してみたら常に自然体で明るくて自由な人なんだな~って思った。
え ふふふ(笑)、ありがとうございます。
藤 私が最初にえみりちゃんを知ったのは、某ディレクターさんからの紹介だったの。「日本で一番の売り上げを出した伝説のキャバ嬢がいます」って。で、彼女がディレクションしてるブランドがあるからODMで紹介したいって。確かそれが1年半くらい前の話で。エミリアウィズって、今年で何年目でしたっけ?
え 7月でちょうど2年になります。
藤 まだ2年なんだ。「急成長を遂げてるブランドだ」って業界でも話題ですよ。普通は実店舗を構えてこそ成功するものであって、インターネットだけじゃそんなに広がらないんですよ。だけど、うちらの業界でもエミリアウィズの存在はみんな知ってる。
え えー! 嬉しいです。
藤 いまはファッション業界自体の雲行きが良くない分、売れてるところは逆に目立ちますからね。その売れてるブランドの1つにエミリアウィズが入ってきてる。えみりちゃん自身、うまくいってるって実感はある?
え ないです。ただ、自分が作った洋服を着てくれてるコを街で発見した瞬間は、嬉しくて超テンションが上がります(笑)。私、アパレルのお仕事をするのが初めてなので、他のブランドさんの基準や普通ならこうするというルールもまだよくわかってなくて。だから「かわいい」とか「あんまりかわいくない」とか、簡単な選択肢しかないんです。
藤 裏表がなくてはっきりしてるよね。エミリアウィズを担当してるうちの専務も「やりたいことをはっきり言ってくれるから、やりやすい」と言ってます。
え はっきりと言わせてもらってます(笑)。まだ専門的な知識は少ないですが、こだわりだけはあるので。「丈をもう少しこうしてほしい」とか感覚でイメージを伝えるだけなのに、すごくわかってくださるのでありがたいです。
藤 うちも力入れてますからね(笑)。何より、えみりちゃんのその感覚を賛同しているファンがすっごくいるから売れてるんだと思う。
え 1回1回の打ち合わせが本当に勉強なんですよね。だから、お仕事だけど本当に楽しくて。毎日新しい発見や「これすごい!」ってことだらけです!!(笑)。
「毎日出勤」「毎日同伴」「毎日100人以上に営業メール」
地道な努力で不動のナンバーワンに!
藤 「キャバ嬢社長」としても有名だけど、えみりちゃんが夜でナンバーワンになったきっかけってなんだったの?
え 20歳のときに「もっとちゃんとしよう!」と思って六本木から歌舞伎町のキャバクラに移ったことですね。それまでの私は超テキトーに生きてたんです(笑)。でも、そこで出会った従業員の人がすごくいい人で、「まずは出勤することをがんばりなさい」って言ってくれて。それで毎日出勤するようになったらどんどん結果がついてきて、「1番になりたい」という目標を持つようになったんです。
藤 地道な一歩から伝説が始まったんですね!お酒も相当飲んだの?
え 私、お酒が飲めないんですよ。だから担当の黒服さんが私の代わりに飲んでました(笑)。あと、飲めないというのを言い続けたらお客さんもみんなわかってくれて。みんなそのことを前提でお店に来てくれてました。
藤 すごい!!(笑)。でも、キャバクラってボトルとかシャンパンとか飲まないと売り上げにならないんじゃないの?
え 他の人はそうですね。でも私はそれができなかったから、とりあえず組数だけはたくさん呼ぼうと思って。だから営業メールを1日100人以上に送ったり。あと、出勤するときは必ず同伴してました。
藤 そんなにたくさんお客さんを呼べるのがすごいですよ。営業メールはどんな内容で?
え 私は長い文章とか苦手だし、相手にくどいと思われたくないので、「おはよー」って挨拶とか絵文字を送ってました。大量に(笑)。長い文章を一生懸命打ってるコのメールを見るとすごいなぁと思うんですけど、私はその文章を考えることができなくて。だから自分にできることをやろうと。文章は無理でも挨拶ならいつでもできる!って(笑)。
たくさんの人とかかわる仕事だからこそ
周りの人を大事にする気持ちが大切
藤 その切り替えも頭の良さですよ(笑)。キャバクラで働く中でもたくさんの気づきがあったから視野も広がって、いまのアパレルの成功にも繋がったんじゃない?
え そうかもしれませんね。1人でできることには限界があることを学べたのもキャバクラでの経験からでした。実は私、ちょっと売れてるからってカン違いしてた時期があったんです。
藤 え、「私を誰だと思ってるの?」というような?
え そうそう!(笑)。その頃は従業員の人や周りの女のコに文句ばっかり言ってました。接客も自分1人でやるものと思いこんでいたから、ヘルプのコが来てくれても「ありがとう」すら言わないし。だけどお客さんが増えると、やっぱり1人じゃ対応できないわけで。そのときになってようやく、助けてくれる人たちの大切さや「周りの人を大事にすれば、自分も同じように大事にしてもらえる」ということに気づくことができたんです。
藤 いまのえみりちゃんからは想像がつかない(笑)。そんな時代もあったんだ。
え アパレルの会社を始めてからも、人間関係で学ぶことはすごく多くて。特に組織で働くということに慣れるまでが大変でしたね。立場や考え方の違いを理解しながら一緒に働くこともそうだし、自分が動かないと周りは動いてくれないということもそう。会社の人にたくさん支えてもらってる分、やれることは全部自分からやってあげなきゃという感覚に切り替わったんです。
藤 人間関係は大切ですよね。キャバクラもアパレルも、たくさんの人が関わる仕事だし。アパレルをやってみようと思った理由を聞いてもいいですか?
え お仕事でドレスを毎日着てたことです。お客さんが来てくれなかったり、売上に悩んで落ち込んだ時でも、かわいいドレスを着ると気分が上がるし元気になれる。そんなドレスを自分も作ってみたい、という感じ。でも着るのは好きでも作るのはまったくの初心者なので、ドレスから始めてお洋服までできたっていうのは自分でもびっくりしてます。
藤 ドレスと洋服を作る時の違いはあるの?
え かわいいものを作るということは共通ですね。ただ、ドレスと洋服では買ってくれる人が違うじゃないですか。夜の女のコには好きと言ってもらえても、普通の洋服を買っている一般の人に手に取ってもらえるのかな?って。最初は自信がなくて、本当に大丈夫かな?と思ってました。
「かわいいと思うものしか作らない」というこだわりが
ブランディング成功のカギに
藤 実際に成功しているところもそうだけど、バッグも靴もトータルコ―ディネートでブランディングできてるのも。すごいところだと思う。プロが始めてもなかなかできることじゃないので。
え え、他のブランドさんはやらないんですか?
藤 やってはいるけど、できないんですよ。一番いいと思うのは、自分が作りたいものと求めている世界観がブレないこと。でも大体が売れないなと感じてくると、「値段を安くしなきゃ」「サイズ感を変えなきゃ」とか、お客様のニーズに合わせようとしすぎて、芯がブレてきちゃうんですよね。ただ、えみりちゃんの場合は、自分がかわいいと思うことしかやらないから、小物も洋服も軸が変わらない。だからファンの人たちが見て「これエミリアウィズっぽくないよね」と思う商品がない。「これはえみりちゃんっぽいね」とうちの社員ですらわかるくらい、エミリアウィズというブランドができあがってる。
え えー!嬉しいです。確かに好きなものは変わらないかも(笑)。
藤 だからお客さん側も「こういうテイストの服が欲しい」「じゃあエミリアウィズだよね」ってわかりやすいんでしょうね。お花とかピンクとかキラキラとか、キーワードも変わらないし、商品もブランドも洋服も変わらない。「あそこの服が売れてるらしいから、うちもやってみよう」というのがないのもいいんだと思いますよ。
え 「他がやってるからうちも~」というのはないですね!逆に、他にあるんだから自分にできることをしようと思っちゃう。私はプロじゃないし、十何年も続いてるブランドさんとは歴史が全然違うので。だからこそ自分にしかできないことを思いっきりやろう!って割り切れるのかもしれないです。
「売れるかどうか」よりも
「かわいいものであるかどうか」の方が大事
藤 「これをやったらもうちょっと売れる」って考えてやることもないでしょ?
え それもないです。「これをやったらもうちょっとかわいくなる」ということならやりますけど(笑)。でも最近は会社として「売らなきゃいけない」という部分も考えるようになりました。かわいいものを作るって部分は譲れないけど、それと会社としてやらなきゃいけない部分が完全に一致しないものだということも理解できるようになってきましたし。
藤 一致しない時は?
え 妥協したくないからハッキリ言っちゃうことが多いです。前は全部ダイレクトに言ってたんですけど、いい方が悪いからうまく伝わらなくて。最近は伝えるのが上手なコに間に入ってもらってます。私の妹なんですけどね(笑)。
藤 え、妹さんも一緒に働いてるの?
え そうなんです。誰よりも私の性格をわかってるから、「もう言わなくていいよ。私が言ってくるから」って(笑)。
藤 いい意味でのチームワークだ(笑)。本当に洋服づくりが好きなんだね。「まぁいっか」ってなっちゃうところを諦めないとか。
え 現状の店舗がWebだけなので、見せ方の部分にもちゃんとこだわりたいんです。企画から撮影からすべてに自分が関わっちゃってるから、つい全部に口を出しちゃうんですよね。「かわいいもの作ったんだから、もっとかわいいサイトにして」とか。普通はそれぞれの担当の人に任せちゃうものなんでしょうけど、細かい部分にもどうしてもこだわりたくて。全部が完璧じゃないと嫌なんです。
藤 そこのトータルバランスもブランディングの大事な要素ですからね。
キャバクラはえみりの原点
これからも続けていきます!
え なんだかんだやりたい事が多くて会社に行っちゃうんですよね。土曜日はキャバクラに出勤することもあるし。さすがに最近は休みの日を決めるようにしたんですけど、ジムに行ったり動いてることが多いです。
藤 ジム通いとか意外!家でゆっくり過ごしたりはしないの?
え もう何年もないですね。風邪ひいても体調が悪くてもちょっとでも会社に行きたいというか。朝起きた時に熱があったとしても、薬飲んで夜に下がっていればお店に出勤したいって思っちゃう。じっとしていられないんです(笑)。
藤 昼間の仕事で成功しても、夜をずっと続けている理由も聞いていいですか?
え キャバクラが自分の原点だから、そこを抜いちゃったら自分じゃない感じがするんです。取ったらバランスを崩しちゃいそう。夜の仕事があったからこその愛沢えみりだし、いまも夜のお店で働くのは楽しいので「辞める」という選択肢はないです。
藤 毎日出勤してるの?
え いまは出れるときだけです。辞めるのは簡単だからこそ、どんな形でも続けていきたいなって。さすがにあまりにもお店に出るのが厳しい歳になったときは考えますけどね(笑)。
【今回のゲスト】
愛沢えみりさん
株式会社Voyage代表取締役。自身がプロデュースするアパレルブランド『Emiria Wiz(エミリアウィズ)』の運営、歌舞伎町のキャバクラ『フォーティーファイブ』勤務、雑誌『小悪魔ageha』の専属モデルなど多方面で活躍。著書に『キャバ嬢社長 歌舞伎町No.1嬢王 愛沢えみりとしての生き方』(主婦の友社)など。モデルやキャバ嬢としての近況が綴られた『愛沢えみりBLOG』も多くのファンに支持されている。
【聞き手】
藤島彩子さん
トムズアンドコレクティブ株式会社代表取締役。美大卒業後、アパレルメーカーにて、MD(マーチャンダイザー)・営業職を経験し、今に至る。現在、トムズアンドコレクティブ株式会社代表取締役。人脈の広さを活かし多岐に渡り、コラボレーションやODMを手掛け、ファッション等の仕事についている。 ブログ『藤島彩子のブログ』には多くのアクセスと読者がついており人気を博している。
(撮影:大村聡志)
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