これまで米大統領選挙に背後で大きな力を発揮してきた「ビルダーバーグ・クラブ」は、今回ヒラリー・クリントンを推しています。ただ問題は、このビルダーバーグ・クラブが、今なお従来どおりの力を発揮できる状況にあるのかどうかです。(『マンさんの経済あらかると』)
混迷の米大統領選、決めるのは「米国民の意志」ではない
ビルダーバーグ・クラブ
米国の大統領を決めるのは誰か。愚問のようですが、実は「米国民の意志」はかなり操作されてきました。これまで大統領選挙に背後で大きな力を発揮してきたのは、いわゆる「ビルダーバーグ・クラブ」と言われる組織です。第二次大戦後間もなく、オランダのビルダーバーグで最初の秘密会議が開かれたため、この名がついています。
この構成メンバーは、ロックフェラー、ロスチャイルドなど欧米金融資本と貴族グループといわれ、これまで米国大統領のみならず、2005年7月の中国人民元の管理フロート移行、実質切り上げも、直前のビルダーバーグ会議で決めたと言われます。
そのビルダーバーグ・クラブの支持を受けるものが原則、これまで大統領の地位についてきたと言われます。
彼らは誰を推しているか?
では今回の大統領選挙で彼らは誰を推しているのでしょうか。第一候補は民主党のヒラリー・クリントン氏、予備に共和党のルビオ氏といわれます。
もともと主義主張の強い候補はビルダーバーグとしても扱いにくいので排除されます。今回は、社会主義者のバーニー・サンダース氏(民主党)と、キリスト教福音派のテッド・クルーズ氏は、排除されるようです。
従って、今後ヒラリー・クリントン候補の動きをテストし、彼女で行けると見れば、ヒラリー候補を推し、サンダースには何らかの事情で退出してもらう段取りだそうです。
このヒラリー候補のテストで彼女が厳しいと判断されれば、共和党のルビオ候補が推されることになります。ビルダーバーグにしてみれば、民主も共和も、党派は関係ありません。
「ヒラリー・クリントン大統領」を恐れる中国
現在のオバマ大統領は、ブッシュ大統領時代の8年間にたまった「垢」を落とすことが大きなミッションといわれ、その後でヒラリー・クリントン氏によって、ネオコン主体の「統制型」経済社会を実現したいとの意向のようです。
外交的にはその政権下で米中冷戦を進め、中国包囲網を強化、かつてのソ連崩壊と同様、中国体制崩壊も視野に入れているようです。
当然のことながら、この展開を最も恐れているのが中国で、中国は「ヒラリー政権」になる前に、できるだけの対処をしておこうと、積極的に欧米に接近し、日米分断すべく、日本にも積極的に近付いてきました。
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