大台1万5000円を割り込み、今週だけで2000円以上の下落が確認された2月8日週の日本市場。2月15日週は指数の下値確認を待ちつつ、夜間取引のある先物取引を活用して相場変動を先回りしていきたいところだ。(『プロの視点。今、乗るべき銘柄が見えてくる。』株式評論家・山本伸一)
大幅調整の続く日経平均。慎重かつ保守的な戦略が求められる
まずはこの1週間(2月8日週)の相場動向を振り返り
今週の株式相場は、金融政策好感の流れが一服した先週の流れから、月曜日には一旦見直されたものの、火曜日に売り直されると、水曜日に下押し。祝日休場を挟んで金曜日も大幅調整を余儀なくされており、調整色を深めてきています。
日経平均株価は、先週末の1万6800円台から、月曜日に大台1万7000円回復を果たしたものの、火曜日には1万6000円台まで下押し。水曜日には1万5700円台まで水準を切り下げ、金曜日には大台1万5000円を割り込み、今週だけで2000円以上の下落が確認されました。
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日経平均株価チャート 2016年02月12日終値
先週末発表の米雇用統計の内容はまちまち。米国市場の下落着地とともに売り先行の立ち上がりから、円高一服とともに見直される展開となった月曜日の取引でしたが、引け後の海外時間帯では欧米株安に1ドル=115円台とさらなる円高推移と急速な外部要因悪化を受けて、火曜日には一転して売り込まれました。
日経平均株価は先月安値レベルに達したものの、水曜日には世界的な金融株安、金融不安が高まり、リスク回避の動きが継続。金融関連銘柄を中心に大幅調整を余儀なくされたことで東証1部銘柄は連日9割超の値下がりになり、日経平均株価も大台割れから下げ幅を広げる動き。
木曜日の「建国記念の日」を挟んで、休場中の外部要因も欧州金融不安が高まったほか、FRB議長の発言でも追加利上げ先送り姿勢を示されて、1ドル=110円台と円高が加速。金曜日も投げ売りを巻き込んで日経平均株価も大台1万5000円を割り込んできています。金曜日の日経平均株価終値は1万4,952.61円と先週から大きく水準を落として今週の取引を終えました。
値動きの激しかった個別銘柄をおさらい
個別銘柄では、記録的な円高進展を受けてトヨタ<7203>、富士重工業<7270>、ソニー<6758>ら外需関連が下落。指数レバレッジETFの日経レバレッジETF<1570>が売り込まれた半面、インバース型の日経ダブルインバース<1357>が買い進まれています。
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トヨタ<7203> 日足(SBI証券提供)
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富士重工業<7270> 日足(SBI証券提供)
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ソニー<6758> 日足(SBI証券提供)
金曜日の下落のなかでも直近で売り込まれていた三菱UFJFG<8306>、ファーストリテイリング<9983>が切り返す場面があったものの、三井住友FG<8316>、みずほFG<8411>のメガバンク、日経平均株価構成比率上位のファナック<6954>、ソフトバンク<9984>は売られており、指数を押し下げました。
セクターでも、10日水曜日、祝日を挟んだ12日金曜日の2営業日連続で業種別株価指数騰落の全業種が下落。下落率上位には海運、その他金融、証券先物、ガラス土石、輸送用機器、化学、繊維製品、情報通信、鉱業などが並びました。
個別では決算に材料性の伝わった京セラ<6971>が活況。10日水曜日引け後発表の第3四半期決算で減収減益着地となったものの、経済産業省が中小規模の太陽光発電設備の安全規制を強化するとの報道や外資系金融機関の投資判断の格上げ観測が買い材料視されました。
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京セラ<6971> 日足(SBI証券提供)
また、同じく10日水曜引け後に決算発表を行ったそーせいグループ<4565>も売買代金上位に進出。第3四半期決算で売上高8倍と大幅営業増益を記録するなど、収益成長を好感した買いを集めました。子会社が開発中の案件について後期第1相臨床試験が良好な結果を得られたとも伝えており、材料性に着目した短期資金も集めたようです。
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そーせいグループ<4565> 日足(SBI証券提供)
決算銘柄ではライオン<4912>、すかいらーく<3197>、西武ホールディングス<9024>、サッポロホールディングス<2501>、THK<6481>、前田建設工業<1824>、大氣社<1979>などが買われています。
新興市場では、全市場の売買代金上位に進出したそーせいグループ<4565>が活況高。インベスターズクラウド<1435>、マイネット<3928>、セリア<2782>、カルナバイオサイエンス<4572>などが賑わいました。
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