内外の悪材料、懸念材料はほぼ出そろい、年内はショートカバーの需要を意識する局面。クリスマスラリーの最終局面は買い方優勢な展開になるだろう。『キッチンカブーのメールマガジン』
懸念は来年へ持ち越し、悪材料出尽くしのクリスマスラリーに期待
ここからは買い優勢の展開
週明けのNY株式市場は反発、米国での連邦公開市場委員会(FOMC)を前にショートカバーが優勢となった。序盤のマーケットは大荒れ、特に日経平均先物はWTI(原油価格)とドル円の急落(円は上昇)を背景に一時18510円まで叩かれた。その後、35ドルを割り込んだ原油先物には買いが入り、マーケットはようやく落ち着きを取り戻したが、今後はドルと原油先物の先安感とどう対峙するかがカギを握っていると言えそうだ。
ここからは買いにとってポジティブなシナリオを描くと断っておきたいところで、おそらくFOMCの利上げ後のドル安はほぼ織り込んだのではないかと考えている。
14日のドル急落は、日銀が1月にも資金再供給と一部報道が出たことで、年内の緩和はないと踏み込んだ円買いが入ったのではないか、そこに指数先物と原油先物の負の連鎖が始まったのだろう。
米国は利上げに踏み切るが、日本は年内に手を打たないとなれば利上げ織り込み済みのドル売り円買いに走りやすく、欧米市場の荒れる要因となってしまった。
サードアベニューのジャンク債破綻報道についても、当事国ではない日本では何事もなくSQだけが通過していっただけで、静かに円買いだけは進んでいた。
悪材料出尽くし。テクニカル指標でも過熱感は解消
FOMCでの利上げ決定、サードアベニュー破綻と日銀の年内追加緩和見送り(期待の反動)、OPEC減産見送り、これだけの材料が出揃った中で年内はどこを向いて行動するのか。すべて日本株にとっては円を買うための口実が揃いすぎていて、おそらくその反動はこの週末にかけて都合良いように噴き出してくるのではないかと考えている。
14~15日にかけて原油にショートカバーが入り、乱高下した挙句、CME日経平均先物は安値から300円近く値を戻した。まだイエレンFRB議長から発信される声明文の内容は織り込んでいないが、おそらく年内の懸念材料には向かっていくことができるだろう。
多少のブレはあるかもしれないが、テクニカル指標でも過熱感は解消しつつあるものが多く、クリスマス休暇を睨んだ巻き戻しと括って良いのではないかと考えている。
指数絡みの値嵩株復活へ
戻り始めた時の個別株については、15日に配信したメルマガを念頭におくなら日東電工<6988>や環境関連が浮上しやすい中、ダイキン工業<6367>もリバウンド相場の恩恵を預かるだろう。
また、指数に絡んだ値嵩株が活躍すると思われ、富士重工<7270>やテルモ<4543>、設備投資回復を背景にファナック<6954>や、225銘柄ではないが村田製作所<6981>やSMC<6273>、オリンパス<7733>に注目している。
小型株はいったんニュートラル気味になるかもしれないが、業績は好調のジェイコムHD<2462>や日本電子<6951>、巻き返しを図るクラリオン<6796>もテーマ性で浮上するだろう。
個別材料株では保土谷化学<4112>の再騰機運の高まり、宇部興産<4208>やトクヤマ<4043>、三井化学<4183>などの原油先物の恩恵預かる銘柄、四季報は好意的なラオックス<8202>まで見ておけばいいだろう。
足場は着実に固まってきている、いったんはクリスマスに向けてアスファルトが敷かれるだろう。そこから不安の芽が浮上するかしないかは、来年になったらわかるはず、今週は買いで打開を図れるのではないかと考えている。
『キッチンカブーのメールマガジン』(2015年12月16日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による