今回は、トルコによるロシア軍機撃墜に「イスラエル」が関与してた可能性を探ってみる。断定はできないものの、イスラエルのかなり怪しい動きがある。(未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ/高島康司)
次の軍事目標はエジプト。イスラエルによるIS支援と軍事訓練
ロシア機撃墜は、やはりトルコ大統領のIS利権を守るものだった
前回のメルマガ(11月27日配信号)では、トルコのエルドアン大統領の長男が経営する会社が、「イスラム国」が占拠したイラクとシリアの油田から産出される原油をトルコに輸送している事実を紹介した。
11月23日、シリア北部のトルコ国境沿いで、ロシア軍のSu-24爆撃機が、トルコ軍のF-16戦闘機によって撃墜された。撃墜の理由は、ロシア軍機が領空侵犯の警告に応じなかったためとされている。
トルコ政府は、シリア北部の国境沿いにはトルコが支援しているトルコ系の反政府勢力、「トルクメン人」がいるので、この地域の空爆をしないようにロシアに再三要請していた。ロシアがこの要請に応じなかったことが、今回の空爆の背景だとされている。
しかしこれは表向きの理由で、本当の理由はまったく別であるとの報道が相次ぐようになった。「イスラム国」の最大の資金源は、シリアやイラクで占領した油田の販売から得られる収入である。
トルコのエルドアン大統領の長男は「BMZ」という会社を経営している。実はこの会社が、「イスラム国」が占拠した油田の原油をトルコ国境まで運び、トルコで販売していることが分かった。
また、「イスラム国」の原油を買っている相手は日本の「三井石油」で、この原油を日本まで運ぶタンカーもこの「BMZ」が所有していた。「BMZ」は、長男のみならずエルドアン大統領の家族が深く関与していると見られている。
シリアとトルコの国境沿いには、彼らが「安全地帯」と呼ぶエリアが存在する。このエリアは「イスラム国」の原油をトルコに運ぶための重要な輸送路になっている。トルコ軍のF-16によって撃墜されたロシア軍機は、この「BMZ」が運営する「イスラム国」の原油輸送のタンクローリーの隊列を攻撃していた可能性が極めて高い。したがってロシア軍機の撃墜は、エルドアン大統領の利権を守るためだった可能性が否定できない状況だ。
ロシア軍機撃墜へのイスラエルの関与
では早速今回のメインテーマに行く。ロシア軍機撃墜へのイスラエルの関与についてである。
トルコによるロシア軍機の撃墜には、やはりロシアが言うように、トルコが「イスラム国」を支援している状況が深くかかわっていることはもはや疑いなくなっている。これを示す証拠はあまりに多い。
「イスラム国」の最大の資金源である原油の輸送ルートをロシア軍機が空爆していたことが、撃墜の原因だ。したがって、この撃墜は偶発的に生じた事件ではなく、ロシア軍機がトルコの領空を短時間侵犯するのを待ち構えて攻撃した可能性は高い。
しかし、もしこれが事実だとしても、これはトルコが単独で実施したものなのだろうか?アメリカをはじめとしたNATO諸国や有志連合、そしてイスラエルなどがかかわっていないのだろうか?この撃墜事件が、トルコとロシア2国間に限定された問題であるとするにはどうしても無理があるように思う。
撃墜以降に起こった重大な変化~トルコのEU加盟交渉に進展
この疑惑は撃墜以降に起こったことを見ると、一層深くなる。すでに日本の主要メディアでも報道されているので周知だろうが、11月29日に開催された首脳会儀で、トルコがシリア難民らの欧州流入の抑制に協力する見返りとして資金支援に加え、停滞していたEU加盟交渉の加速などで合意したという。来秋をメドにトルコ国民がビザなしで欧州に渡航できるようにする方針であるともしている。
これは、トルコ経由でヨーロッパに流入する難民をトルコが抑制する見返りであるとされているが、本当にそれだけだろうか?
特にトルコのEU加盟はトルコの歴代政権の悲願であっただけに、その交渉が再開されることはトルコにとって大きな見返りとなることは間違いない。EUがトルコにこれを応じた背景には、トルコがロシア軍機を撃墜したことが絡んではいないのだろうか?
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