第4段階:プーチンは中東の覇権を握る
アメリカに捨てられて困っているサウジアラビアとイスラエル(=ユダヤ教)。もとから親ロシアのイラン、シリア(アサド政権)。
プーチンは、イスラム教シーア派、スンニ派、ユダヤ教を和解させ、「中東の覇権」を握ります(握りたいです)。
第5段階:「ペトロダラーシステム」と「ドル崩壊」
アメリカは、世界一の財政赤字国、貿易赤字国、対外債務国。それでも、いままで破産していない。
その理由は、ドルが「基軸通貨」(=世界通貨、国際通貨)だからです。
第2次大戦以降、ドルと金(ゴールド)はリンクしていた。ところが、それでドルがどんどんアメリカから流出して困った。そこでニクソンは1971年、「ドルと金(ゴールド)の交換をやめる!」と宣言します。(=ニクソンショック)
これで、ドルは「ただの紙切れ」になった。しかし、今にいたるまで「ドル=基軸通貨」の地位を維持しています。なぜでしょうか?
その大きな理由が「ペトロダラーシステム」。つまり「原油はドルでしか売らない」しくみ。ニクソンは、
- アメリカはサウジアラビアを守る
- サウジ王家を守る
ことを条件に、「石油販売はすべてドルで行う」ことを約束させました(1974年)。OPEC諸国もサウジに従い、「石油の売買はすべてドルで」が世界のスタンダードになった。この体制は1975年から2000年までつづきました。
ところが2000年9月、イラクのフセインが「イラク原油の決済通貨をドルからユーロにかえる!」と宣言。同年11月、実際にかえてしまった。
彼はそれでどうなったか?皆さんご存知ですね(イラク戦争の公式理由=「大量破壊兵器」「アルカイダつながり」はどちらもウソだったことが明らかになっている)。これをきっかけに「ドル離れ」のトレンドが形成されていきました。
その後起こったこと。
- ユーロの流通量がどんどん増え、06年ドルを超えた
- イランが原油の決済通貨をドル以外の通貨にかえた
- 中東産油国が「湾岸共通通貨」の導入を検討しはじめた
- 原油高で潤っていた時代のプーチンは、「ルーブルを世界通貨にする!」と宣言していた
これらが、「100年に1度の大不況」の大きな“裏”要因だったのです。この話、新しい読者さんには、「トンデモ系」と思えるかもしれません。しかし、証拠は山ほどあります。もっと詳しく知りたい方は、「完全無料」のこの情報をゲットしてください。
(※世界一わかりやすいアメリカ没落の真実【北野幸伯著】)
というわけで、
- イスラム国を掃討する
- 反米親ロ・アサド政権を盤石にする
- アメリカに捨てられたサウジと、イランを和解させる
- イスラム諸国とイスラエルを和解させる
そして、
- ロシアが中東の覇権を握る
その後はどうするか?
アメリカに捨てられたサウジアラビアを説得し、「原油の決済通貨をドル以外にさせる」これで、アメリカの覇権は終わりです。
もちろん、既述のように、これは私の想像にすぎません。しかし、「ロシアに25年住み、プーチンを観察してきた男(=私)の想像」なので、全然「ありえない」というわけでもありません。
さらに、仮にプーチンがそう考えていても、「相手がいる」話ですから、うまくいくかもわからない。ロシアも、「制裁」「原油安」「ルーブル安」で相当苦しいですから。
いずれにしても、「シリア」「ウクライナ」「東、東南アジア」どこを見ても、「戦国時代」です。
『ロシア政治経済ジャーナル』(2015年10月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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