訪日外国人客の増加に伴い、夜の娯楽(いわゆるナイトエコノミー)が貧弱との意見が増えています。公共施設に期待できない日本で、拡充する策はあるのでしょうか。(『億の近道』街のコンサルタント)
20数年間を金融(主に証券)会社で過ごし、投資銀行業務や事業育成の業務を担当。「金融機関に籍を置く(安全な)立場で客観的なことを言うより、いっそのこと経営者と同じ立場で事業拡大のお手伝いを出来ないものか」と思い立ち、2005年春に証券会社をリタイアしてコンサルティング会社を設立。
夕方5時に閉まる公共施設に期待はできない。いったい何が必要?
「夜間の遊び場」が少ない日本
さて、5月1日の日経新聞にも取り上げられていましたが、2013年からの円安をテコにした訪日外国人客の増加に伴い、夜の娯楽(いわゆるナイトエコノミー)が貧弱との意見が増えています。
オッサン経済が豊かな日本では、多くの庶民的な飲食店が遅くまで営業していますが、それ以外の娯楽は少ないです。
我々の世代では呑み会以外では、せいぜいライブハウスや映画といったあたりしか思いつかず、ファミリーで日常的に楽しめる夜の(健康的な)娯楽は少ないですね。
顧客目線が足りない日本の公共施設
ヨーロッパやアメリカに行くとショッピングや飲食だけではなく、美術館でもシアターでもかなり夜遅くまでやっていて、夕食の前後に様々な楽しみ方ができます。もちろん都会での話ですが。
それらに比べ日本の(自治体が運営する)美術館や博物館といった箱モノは、公務員の勤務時間に合わせるため開館時間が9時~17時が大半ですから、これでは日中ヒマな人しか利用できません。
しかも建てた後(つまり地元後援会への利益還元後)は役所に任せっきりの「やっつけ仕事」になりますから、集客しようという意思もインセンティブも無いままに、閑古鳥が鳴く赤字施設が増えます。
自治体によっては余計な規制の中でも頑張っている姿が見られますが、なんせ行政予算にまとわりつく害虫が邪魔をし続けますから大変です。
議員バッチを維持するための地元への利益誘導や、ついでに役人の天下り目的で造られたものばかりですから、利用者視点など欠落していますし。
ということで、ナイトエコノミーに対する日本独自のコンテンツを幅広く提供できる会社は無いか? などと考えている次第です。
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