中国当局が発表する経済指標が捏造されていることは、エコノミストの間ではもはや常識です。しかし今、中国経済の素顔を暴く新技術が完成しつつあります。(『カレイドスコープのメルマガ』)
※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2018年4月20日第251号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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人民元の流出を防ぐためなら何でもやる中国。それを見通すのは…
中国国家統計局は、常に公式データを捏造している
中国の新しい経済指標が発表されるたびに、どの国のエコノミストも意見が真っ二つに分かれます。それは、悲観論と楽観論の両極端の意見に分かれます。
したがって、どの国のメディアも、両方のエコノミストを満足させるために、「中国の経済成長率が7年ぶりに回復! しかし決して楽観視はできない」というように、どんな数字が出ようとも、常に「しかし」という但し書きを付けざるをえないのです。
「またまた2017年第4四半期のGDP成長率は、前年同期比で6.8%の増加だ。今後、中国経済がどんどん悪化していっても、われわれ中国人には、常に国家統計局がついているのだから安心だ…」。
中国国内で7億人(全世界では12億人)の利用者を抱える中国のチャットWeChatで、こんなメッセージが拡がっています。
「改ざん」を開き直る中国当局
「第4四半期6.8%増」というのは、2015年から続いています。中国メディアの記者会見場は、国家統計局から数字が発表されるたびに、しらけたムードに包まれます。
2015年1月19日、英字紙『チャイナ・デイリー』の若い記者が、中国国家統計局の王保安局長に、こんな質問をしました。
「多くのメディアや研究機関が、中国政府が公式発表するGDP成長の数値の真実性について、疑問を投げかけている。その中には、『中国の本当のGDP成長率は5%以下だ』と暴露するものもあった。こうした多くの疑念に対して、国家統計局はどう答えるのか?」
この質問に対して王保安局長は、以下のように答えたとか。
「中国のGDPについて、いろいろな研究機関が勝手に論じているのは承知している。だが、それらの評論には2通りある。
1つは、記者の質問のように、国家統計局は、実際のGDP成長の数値を水増しして発表しているというものだ。
もう1つは、国家統計局は、実際のGDP成長よりも控え目な数値を発表しているというものだ」。
記者会見場の数百人の記者たちは、いわゆる「どっちらけ」ムードに包まれたのです。