すでに各紙で報道されていますが、金融庁が「FXレバレッジ10倍規制」を年内に実施することがわかりました。これで日本のFX市場はかなり縮小してしまうでしょう。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年5月1日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
なぜかあきらめムードの業界団体。ドル円への影響も計り知れない
年内にレバレッジ規制が入るか
すでにメディア各紙でも報道されていますが、金融庁は、年内にFXのレバレッジを10倍に引き下げることについて正式に検討に入ったことがわかりました。
年明けからアリバイ的に4回の有識者会議を実施していますが、初回以外はまともに議事録さえ開示されておりません。
店頭FXの年間取引規模が5千兆円に達したことで「破綻リスクが極めて深刻である」といった不思議な見解から、無理やり市場を縮減することで動いていくことになったようです。
現段階では、店頭FXと取引所FXとの差異が生じるのかどうかは、はっきりわかりません。とにかく狙いは、店頭FX業者の取引ボリュームをレバレッジダウンで実現することだけは間違いないようです。
これで本邦のFX市場は、かなり小さなものになっていくことが容易に予想されます。
業界団体もあきらめている?
こうした暴挙がなぜ簡単に決まってしまうのか、不思議で仕方がありません。
店頭FX利用者の追証問題でのとりっぱぐれといった事態は極めて少ないのが現実で、何をもってして「25倍のレバレッジは危ない」と金融庁が指摘しているのか、まったくよくわからない状況です。
リーマンショックから10年目の今年、「とうとう暴落がやってくるぞ」ということを暗に示唆しているのかとさえ思える話です。しかしそれならば、大量に国債や国内株のETFを抱える日銀のほうがよほど危ないわけです。
どうして今、こうした判断が下されるのか。全く納得がいかないというのが正直なところです。
しかも、店頭FXの業界団体である「一般社団法人 金融先物取引業協会」は、徹底して交戦してきた印象がほとんどありません。特定の店頭FX業者はかなり大きな声をあげてきましたが、業界全体としてはすでにあきらめているようにも見えて仕方がありません。
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