半島非核化が実現すると、もっとも困るのは日本政府と自民党
世界は、これから想像もできないほど激変します。
日本は、現政権によって、すべての分野が破壊され、競争力を失ってしまいました。北朝鮮の核開発問題、シリアを巡る中東情勢…すべてにおいて日本は「蚊帳の外」です。
「安倍首相に何かを言うと、ロシアのプーチンと俺のシナリオを、すぐにぶち壊してしまうので、奴が望むとおり、ゴルフ外交でもやってお茶を濁しておけばいい」と軽くあしらわれているのです。
金正恩が、黄金のキャデラックの誘惑に負けて朝鮮半島非核化の実現に踏み出すことになったとき、自民党は慌てふためくでしょう。
米朝首脳会談で、長らく休戦状態に置かれていた朝鮮戦争が終戦を迎え、朝鮮半島の非核化が実現すれば、冷戦時代が完全に終わったことになるので、在韓米軍が韓国を守る根拠を失います。
金正恩の核廃棄を歓迎すると同時に、在韓米軍は半島からの撤退を余儀なくされます。
その場合にもっとも困るのは、韓国の軍事利権に群がる韓国の与党政治家と官僚、そして、沖縄になんとかして米軍をつなぎとめておきたい日本の自公両党です。
軍事利権を手放したくない自民党
オバマ政権時代に、米国は「世界の警察の座から降りる」と宣言しており、トランプの朝鮮半島非核化への第一歩は、まさにそれを踏襲した動きです。
日本に点在している在日米軍基地の中で、もっとも高度な通信傍受システムを持っているのは沖縄の在日米軍基地です。その機能だけを残して、日本から撤退したいというのがペンタゴンの本音です。
民主党が政権を取ったとき、岡田克也議員が米軍の協力を得て、非核三原則が順守されているのか調査しました。調査結果では、大方の国民が予想していたとおり、日本には核が持ち込まれていることが判明したのです。
自民党政権は数十年にもわたって非核三原則は守られていると言い続けてきました。なぜなら、自民党は、沖縄在日米軍基地にからむ軍事利権を手放したくないからです。
沖縄の米軍基地には、朝鮮半島有事に備えて、核弾頭搭載可能なミサイル、MIM-14ナイキ・ハーキュリーズの世界最大の核戦闘部隊が設置されています。
また、長崎の佐世保港には、原子力空母ジョージ・ワシントンと、それを護衛するフリゲート艦数隻が控えています。もちろん、これらすべては核武装しています。
日本の長期政権と防衛族議員にとって最悪のケースは、金正恩が、あっさり核廃絶協定に署名してしまうことです。
朝鮮半島の非核化が早期に実現してしまうと、在韓米軍の撤退に引き続いて、少なくとも沖縄の核戦力は撤収せざるを得なくなります。在韓米軍と在日米軍の撤退は、現実的な問題となってくるのです。