2050年には世界的なタンパク質不足から、イナゴなど虫が人間のタンパク源になるという仮説がまことしやかにささやかれている。しかし現実味は薄そうだ。(『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』房広治)
※本記事は有料メルマガ『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』2018年4月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
アメリカ、イギリス、香港など主要金融センターで著名な日本人投資家。留学中に外資系銀行に就職し、わずか10年で日本のインベストメントバンキングのトップに。投資家転向初年度に年率リターン90%以上の運用成績を出し、ファンドマネジャー・オブ・ザ・イヤーとなる。
期待されている食用虫。タンパク質の変換率を鶏と比べてみると…
タンパク源が不足するが…
国連の推計によると2030年には86億人、2050年には人口が98億人、2100年には112億人になると予想している。
そして、2050年には、世界的なタンパク質不足から、将来はイナゴなど虫が人間のタンパク源になるという仮説が、まことしやかにささやかれて、テレビなどにも取り上げられている。
科学的には「この仮説は弱い」という記事がIFCNRというNGOのサイトに載っていた。
実験では虫も鶏も大差ない。ならば人類は鶏を食べる
動物性のタンパク質の製造で有名なのは、牛肉、豚肉、鳥などの畜産や養殖であるが、先進的な畜産業者や養殖業者は、FCR(Food Conversion Ratio)という尺度で、どれだけのエサ(Food)が肉や魚になるのかをちゃんと測っているのだ。
今回、カリフォルニア大学のデービス氏が実験したのは、FCRではなく、Protein Conversion Ratio すなわちタンパク質の変換率・効率的かどうかの比較だ。
その結果、食用として養殖される虫は、鳥の変換率と変わりがなかったというものである。
虫を食べるようになるというのが、裸の王様のように、まことしやかに伝わっているので、原文を下記に添付しておきます。
The push for more creative protein sources – insects, fungal matter, bio-fuel by-products, even synthetic meat – necessitates corresponding intense marketing and image changing campaigns.
Any attempt to shift consumers away from animal proteins toward more vegetable proteins will face strong consumer resistance.
Advocates will be hard pressed to persuade the average family that the bacon-like taste of fried Dulce seaweed is a viable alternative to their favourite cured breakfast meat or that a mound of laboratory-created meat fibres or a plate of crispy crickets will satisfy as well as a perfectly grilled rib eye steak.
The assumption that insects such as crickets have a far more favourable protein conversion ratio compared to chickens may be just that, an assumption and one grossly exaggerated due to very little data on the subject.
Entomologists at the University of California, Davis found that the PCR of house crickets improved very little over that of chickens. Further, the crickets only achieved that protein parity if fed high-quality diets. They did poorly on low quality, unprocessed organic matter.
出典:Can the World’s Protein Needs Be Met? – IFCNR(2018年3月27日配信)
カリスマ性とは? 英国の政治家・グラッドストンとディズレーリから学ぶ
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『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』(2018年4月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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世界の金融市場・投資業界で活躍する日本人投資家、房広治による、ブログには書けないお金儲けの話や資本市場に通用するビジネスマン・社長のあるべき姿などを、余すことなく書きます。