韓国が平昌五輪を使って南北融和の筋道を探るなか、北朝鮮のミサイル開発やサイバー攻撃は加速している。それに業を煮やした米国は、北朝鮮攻撃の覚悟を決めたようだ。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2018年3月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
朝鮮半島も中東も制覇したいトランプ大統領。3月18日から動く?
南北融和に奔走した韓国
ぶっちゃけ、平昌オリンピックが無事終わったので、ホッとしたものだ。
開会式に出席した安倍首相は日本選手団を応援するという名目で、競技会場の地下シェルターの視察に時間をかけていた。
日本人の安全を確保したいと願う立場からすれば、当然のことだが、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はあまり良い顔をしなかったようだ。
今回の冬季オリンピックの場を利用し、韓国と北朝鮮の間では様々な接触と対話が展開された。
特に、文在寅大統領は北朝鮮の代表団を手厚くもてなし、何とか南北融和と将来の統一に道筋をつけようと必死であった。
堪忍袋の緒が切れた米国
しかし、トランプ大統領や安倍首相が繰り返す「核なき朝鮮半島のための対話」は難しい状況が続く。
というのも、国際社会の期待とは裏腹に、北朝鮮による非合法な活動は収まるどころか加速する一方となっているからだ。
そのため、トランプ政権は「北朝鮮への最大限の圧力を強める」との立場から、「北朝鮮と公海上で物資の密輸に携わっている」として30社近くの中国の船会社や船舶を名指しで制裁の対象に指定した。
中国政府は猛反発しているが、この措置は明らかに北朝鮮への攻撃を前提にしたもの。
要は、中国に仲介役を期待したが、「堪忍袋の緒が切れた」というわけだ。
このままでは、北朝鮮がアメリカ全土を射程内に収めるICBMを完成させてしまう。
トランプ大統領とすれば、そうなる前に、北朝鮮の脅威を取り除くのが「アメリカ・ファースト」を掲げる自分の責任だと考えているに違いない。