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仮想通貨バブルで「必ず最後にババを引く」負け組投資家の共通点に気づけ=鈴木傾城

バブルに踊る投資家は、常に高いところで買わされ、安いところで売らされる。彼らは「周囲が儲けている」ことに恐怖しているのだ。どういうことか?(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

※本記事は有料メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』2018年1月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

バブルと分かっていても、人々が決して熱狂から逃れられない理由

「金融市場で失敗する心理」

貧困層が自分の貧困に心理的に追い詰められて苦しむのはどんな時か。そして、金持ちが大金を持っても空虚な気持ちになって幸せになれない理由は何か。

貧困層は「貧困」ゆえに常に心理的に追い詰められて苦しむと思うのは間違いだ。たとえば、日本の1950年代は戦後の灰燼からの復興の最中であり、人々はまだ貧しかった。貧困特有の悲劇も日常的にあった。

しかし、この時代の日本人は楽天的で貧困を苦にしているわけではなかった。「将来はもっと稼げる」「将来は豊かになれる」という希望もあり、バイタリティが社会に満ち溢れていた。

この時代の日本人の貧困は今の日本人の貧困よりもひどかったかもしれないが、「心理的に追い詰められていた」わけではなかったのである。追い込まれているのは現在の貧困層である。

ところで、資本主義が進めば進むほど大金を持つ富裕層も出現している。5億円以上もの資産を持つ人も珍しくない。

資本主義の中で最も重要な財力を手に入れて彼らは幸せなのかと言うと必ずしもそうではなく、むしろ心理的には追い込まれている実態も明らかになっている。

そして、実は「金融市場で失敗する心理」もまた、「貧困層が追い詰められる心理」や「富裕層が追い詰められる心理」とほとんど同じなのである。

高いところで買わされ、安いところで売らされる

ところで、2017年はビットコインバブルが発生し10倍も値上がりした。それがマスコミで喧伝されるや否や、多くの人々が仮想通貨の市場に乗り出していき一攫千金を狙った。

しかし、バブルだと聞いて乗り出した人のほとんどは2018年1月のバブル崩壊に巻き込まれて大損失を出している。踊らされて終わったのだ。

金融市場は不動産や現物と違って、毎日のように市場(マーケット)で値付けが変わる。

時には一日に10%近く変動することも多い。そのたびに、多くの人は激しく動揺して売ったり買ったりを繰り返し、結局、市場に振り回されて撃沈していく。

特にバブルを見て買い始めた人は、暴落をすると蒼白になって売り始めるので、大抵は「高いところで買い、安いところで売る」という二重の過ちを犯す。

「高いところで買わされ、安いところで売らされる」というやり方では何を買ってもすべて失敗する。たとえ、投資の対象が将来有望の超有望銘柄であってもそうだ。

金融商品は「安いときに買って、高い時に売れば利益が出る」のは誰でも知っている。空売りを使わない限り、安いときに買うべきなのである。

しかし、実際に人々は逆のことをする。ビットコインがバブルだと聞いてそれに乗った人を見れば、いかに「高いところで買う」人が多いのか観察できるはずだ。

この光景は見覚えがある。1980年代の後半はそうだった。バブルの真っ最中で人々は株式市場に殺到したのだ。

株価収益率から見ても、株価資産倍率から見ても、到底許容できない状態であるのは誰が見ても明らかであったにも関わらず、人々は株式市場に殺到していた。

なぜなのか。そこに「貧困層が追い詰められる心理」や「富裕層が追い詰められる心理」と同じものがあるからだ。

Next: 彼らは「まわりは儲けている」という気持ちに恐怖している

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