グレアム流でS&P500に投資する場合の大儲けパターンとは?
PERを見れば、S&P500が割安なのか適正なのか割高なのかについて、ざっくりと判定できます。グレアム流でS&P500に投資する場合の大儲けパターンは、次の2つです。
<大儲けパターン>
(1)PERが10倍以下(妥協しても15倍以下)
(2)大幅な景気後退(バブル崩壊、金融危機等)の直後
調べると、具体的には次の年でした。
<S&P500のPERが10倍以下だった年(1970年~2016年)>
年 PER 10年後何倍?
1980年 7.39倍 3.69倍
1982年 7.73倍 4.48倍
1979年 7.88倍 5.04倍
1978年 8.28倍 4.53倍
1975年 8.30倍 3.81倍
1981年 9.02倍 5.06倍
<S&P500のPERが10倍以上15倍以下だった年(1970年~2016年)>
年 PER 10年後何倍?
1985年 10.36倍 4.00倍
1977年 10.41倍 4.14倍
1983年 11.48倍 4.02倍
1984年 11.52倍 3.83倍
1974年 11.68倍 3.97倍
1989年 11.82倍 5.33倍
1976年 11.83倍 3.65倍
1988年 14.03倍 5.80倍
1986年 14.28倍 4.15倍
2012年 14.87倍 (現時点で1.7倍以上)
1995年 14.89倍 2.38倍
<大幅な景気後退(バブル崩壊、金融危機等)の直後>
年 PER 10年後何倍?
2002年 46.17倍 1.99倍
2009年 70.91倍 (現時点で2倍以上)
すでにお気づきの方も多いと思いますが、グレアムの視点で言えば、近年では「ほとんど買うタイミングがない」という結果になります。
PERが15倍~25倍ぐらいで推移している年に購入しても、10年後に資産が2倍以上になっているケースがほとんどです。
2008年のリーマンショックの落ち込みが激しすぎたために、1998年と1999年に投資を開始した場合、10年後にマイナスリターンになってしまったと言えます。それぞれPERは24.29倍(1998年)、32.92倍(1999年)でした。
1999年の32.92倍は割高なので避けることはできたとしても、1998年の24.29倍は相当、判断に迷うし、難しい局面です。
グレアム流でインデックス投資を実践した場合のメリットとデメリットを、以下にまとめます。
<グレアム流インデックス投資のメリット>
・PERが10倍以下(妥協として15倍以下)の場合、安全域が大きいため、資産を大幅に増やせる。
・大幅な景気後退(バブル崩壊、金融危機)直後は、「文句なしに買い」である。
<グレアム流インデックス投資のデメリット>
・投資チャンスが10年に1回ぐらいしかない。チャンスを伺う場合、機会損失の方が大きくなる。