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上昇しつづけるダウ平均は「30年ぶりの落とし穴」を回避できるか=栫井駿介

ダウ平均が月曜まで12営業日連続で最高値を更新しました。これは30年前の1987年1月以来のことです。そして、同じ年の10月にはブラック・マンデーが発生しています。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

30年ぶり長期連騰記録、NYダウはブラック・マンデーを再現するか?

トランプ政権「減税策」への期待からダウ平均連騰

ダウ平均は月曜まで12営業日連続で最高値を更新しました(※本稿執筆時点)。先週に引き続き、トランプ政権の減税策に期待が集まっているようです。

一方で、米国株の出来高はさほど盛り上がっていないことや、米国金利が下落するなど安全資産に資金が集まっていることから、上昇を牽引しているのは一部の短期資金であると見られています。株価の上昇に懐疑的な投資家も少なくないでしょう。

ダウ平均が11営業日連続で最高値を更新するのは、1987年1月以来30年ぶりのことです。しかし、1987年の10月にはダウ平均が1日で23%下落する「ブラック・マンデー」が発生しています。

株価は上昇すればするほど、下落リスクも高まるものです。賢明な投資家は、この上昇に付き合うのではなく、距離を置いて冷静に状況を見極めることが必要です。

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日本株は上値が抑えられる展開続く

上昇を続ける米国株に対し、日本株は上値が抑えられる展開が続いています。米国の減税策が日本企業に恩恵が少ないことや、為替が円高方向に振れていることが主な要因と考えられます。

個別の銘柄を見ても、多くは好調な業績を折り込み、割安な銘柄を見つけにくい状況です。極端に割高というわけではありませんが、実力的には現在の株価以上のものを見込める状況ではないと考えます。

このような時は、無理に新たな銘柄に手を出さないことも、長期投資でパフォーマンスを上げるためには大事な戦略です。

上がっている株は、いつか必ず下がります。ブラック・マンデーが再び訪れると断言することはできませんが、その可能性は高まっています。むしろ、株価の急落が起きたときこそがバリュー株投資家にとって大きなチャンスとなります。

今パフォーマンスが上がらないとしても、焦って動いてはいけません。それよりも、いつか来る株価の急落に備えて、資金と心の余裕を整えておくことが得策と考えます。

つばめ投資顧問は相場変動に左右されない「バリュー株投資」を提唱しています。バリュー株投資についてはこちらのページをご覧ください。記事に関する質問も受け付けています。

※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2017年2月27日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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