日馬富士は伊勢ケ濱部屋所属。貴乃花から見れば、八角理事長のスポンサーであるハンナンのカネに転んで寝返った裏切り者だ。だが怒りの理由はそれだけではない。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)
※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2017年12月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。
貴乃花は何と戦っている?事情通へのインタビューでわかった真相
日本相撲協会と貴乃花親方の確執
16年3月の日本相撲協会の理事長選の結果、八角親方(元横綱・北勝海)が6票、貴乃花親方が2票で、八角親方が代行から正式に理事長になり、現在の体制ができたわけだが、その体制下で先日起きたのが横綱・日馬富士による、貴乃花部屋の貴ノ岩暴行事件――。
一連の報道における識者コメントを見ていると、日馬富士・貴ノ岩間では和解していたのに、貴乃花親方が警察に被害届けを出させた。日本相撲協会をまったく無視していることに批判の声が起きている。
しかし、16年3月の理事長選の裏側では、本紙既報のように謀略があり、「不正で八角は理事長に就いた」(後述する識者コメントより)と貴乃花親方は本気で思っているというのだ。
しかも、そんな者がトップに就き、貴乃花親方は本来ペイペイの理事が就く巡業部長に格下げされ、徹底してイジメ抜かれているという。
警察に届け出なければ、うやむやにされていた
もっとも、貴乃花親方に非があれば、それは自業自得ともいえる。
ところが、真相は、旧守派の八角理事長と、その利権に群がる取り巻きが、相撲道を突き進み、改革を目指す貴乃花親方を単に毛嫌いしてのことだというのだ。
したがって、貴乃花親方が相撲協会など相手にせず、警察に解明を求めるのは当然。そうしないと、今回事件はなあなあにされるどころか、未だ相撲界にあっては日常茶飯事の暴力沙汰の1つとして完全に無視されていたという。
「そして今回の事件の貸し借りを、従来通りのホシのやりとりで決着を図ることもありえますよ」(別の事情通)
事情通へのインタビューに成功
本紙では今回、16年の理事長選の裏側に関して、当時、貴重な情報をくれていた改革派・貴乃花を応援する業界事情通X氏へのインタビューに成功した。
以下は、そのX氏との一問一答だ。
――今回、貴乃花が力士同士では和解になった話を刑事告訴した真相は?
「貴乃花の弟子に対する愛情は親子ほど深く異常なほど。その可愛い貴ノ岩が殴られケガをさせられた。しかも、相手の日馬富士は伊勢ケ濱部屋所属。前回の理事長選で貴乃花に1票入れたというけど、貴乃花にしてみれば、その後、八角理事長のスポンサーのハンナンのカネに転んで八角側に寝返った裏切り者と見てますから。
それから暴力を振るったのが横綱という事実も重要。横綱就任時の口上はただ横綱の品格を守れだそうです。貴乃花に“元横綱”という言い方はなく、生涯、横綱として品格を守る、相撲道を邁進するという考え。
それにも関わらず、現役の日馬富士は暴力を奮って横綱の品格を汚した。実は貴乃花自身、貴ノ岩のケガはそんなたいしたことはないと言ってました。ケガの程度ではない。横綱が暴力を奮い、品格を汚したことからなおさら許せないのでしょう」
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