ホーキング博士による「人類に残された時間は100年を切った」との予測が話題となる中、英国の国防省が「人類最期の日」を危惧する内容の報告書を発表した。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
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国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
英国防省の悲観的レポート、ホーキング博士との「共通点」随所に
ホーキング博士「人類に残された時間は100年を切った」
ぶっちゃけ、車椅子の物理学者ホーキング博士の「人類に残された時間は100年を切った」という未来予測にはヒヤッとさせられた。
日本をはじめ、世界各国の研究者からは「そんなことはあり得ない。物理学の観点からだけでは人間の行動を正確に予測することなどできない」といった反論が巻き起こった。
確かに、そうかもしれない。
英国国防省も「人類最期の日が近い」と報告
しかし、英国の国防省が最近相次いでまとめた報告書を読むと、ホーキング博士の懸念や予測と相通じる指摘が随所に散りばめられているではないか。
国際政治や軍事の専門家集団の間でも、「このままでは人類の終わりが近い」との危機感が強まっているわけだ。
ということは、「人類最期の日が近い」との警鐘はホーキング博士の独り言ではないということである。あらためて73歳の同博士が燃やす「次なる人類の移住先を探そう」という熱意に脱帽せざるを得ない。
押し迫る「5つの危機」
さて、肝心の英国国防省のレポートの中身である。興味深い点を整理すると次のようになる。
<第1:2040年までに核戦争の脅威は高まる一方となる>
2035年までに地域紛争の場において、限定的な戦術核が使用される可能性を否定できない。
<第2:その際、戦術核を使用するのは非欧米諸国と想定される>
具体的には北朝鮮、パキスタン、イランが考えられる。また、テロ組織など非国家集団の関与もありうる。
<第3:外交や経済封鎖等の「ソフトパワー」のみで対立激化を回避するのは不可能>
ウクライナやシリアでの代理戦争、印パ対立、中印国境紛争、米中、米ロの覇権争い等の過程で、判断ミスや操作ミスが核戦争を引き起こす恐れもある。
<第4:核兵器に加え、生物、化学兵器などが拡散した結果、究極の防衛システムとして中性子爆弾の開発が加速する>
<第5:英国のメイ首相は、アメリカの軍事防衛システムに依存しない独自の国防政策を推進する用意がある>
要は、世界は核戦争という人類や地球の滅亡につながりかねない危険な未来に向かって、歯止めのないレースに血眼になっているというわけだ。
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