S&P500は15年以上保有すると、ほぼ100%の確率でプラス収益になる!
さらに詳しく見ていきます。先に挙げたWikipediaに記載されているS&P500のリターン表には、とてつもなく重要な情報が潜んでいます。
保有期間を5年⇒10年⇒15年⇒20年⇒25年と伸ばしていくと、最低リターンがどんどん切り上がっていくのです。
わかりやすいように、5~25年間の保有で、リターンがマイナスの年を赤枠で囲いました。一番下に、High、Low、Mediumと記載していますが、これは「最高年利、最低年利、単純平均年利(※)」となっています。
(※)Mediumの値は標準偏差ではなく単純平均年利の値です。
最低年利を水色の枠で囲いました。下記の表をご覧ください。
5年間の保有では合計で5回、マイナスに落ち込んでいます。マイナスになったといっても、最低でも-2.35%になっていて、それほど、大きな落ち込みではありません。
ただ、少し気になるのは、21世紀に入ってからのS&P500のリターンが落ち込んでいる点です。マイナスリターン(赤枠)は、2001年以降に集中しています。
近年のパフォーマンス低下問題は、S&P500に限った話ではなく、バークシャー・ハサウェイでも同じです(このことは、インデックス投資よりも高いリターンを求める投資家には
大切なことです。また別の機会で詳しく取り挙げます)。
次に、5年から10年に保有期間を延ばしたケースを見ていきましょう。10年間の保有では2008年、2009年の2回だけがマイナスリターンでした。これはリーマンショックの影響です。
さらに10年から15年、20年、25年と保有期間を延ばしたケースを見てください。15年以上の保有では、マイナスリターンがなんと0回!水色の最低年利を見ると、保有期間が長ければ長いほど、成績が良くなっていることが伺えます。
<最低年利の推移(水色の枠)>
5年保有:-2.35%
10年保有:-1.35%
15年保有:+4.24%
20年保有:+7.68%
25年保有:+9.15%
S&P500への投資は「ほぼ確実に勝てる勝負」です。しかも勝負を引き延ばせば延ばすほど、勝率が100%に限りなく近づいていきます。20年保有で最低でも+7.68%の平均年利を獲得しているというのは驚くべき事実でしょう。
<年利7.68%の運用を20年間、続けた場合>
・100万円 ⇒ 878万円
・500万円 ⇒ 2,196万円
・1,000万円 ⇒ 4,392万円
・2,300万円 ⇒ 1億102万円
バフェットの「ゆっくりとお金持ちになるのはかなり簡単です」という言葉が身にしみります。
私は一番大きな間違いは、正しい貯金の習慣を早いうちに学ばないことだと思います。貯金というのは習慣なのです。誰もが早くお金持ちになろうとします。ゆっくりとお金持ちになるのはかなり簡単です。しかし、すぐにお金持ちになるのは簡単なことではありません。
ウォーレン・バフェット