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あと2年。短期決戦を目論むトランプ大統領が繰り出す「10の戦術」=藤井まり子

トランプ政権の経済政策の中身が明らかになってきましたが、想像以上に優秀なのでビックリです。外交政策や支持率アップのための減税など想定される10の戦術を解説します。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2017年1月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

経済ニュースだけではわからない、トランプ新政権「10の戦術」

投資家はトランプ大統領の暴言を真に受けてはいけない

トランプ新大統領は、人格的に問題のある人物です。ですが、頭はすこぶる良い人らしいです。デキるビジネスマンによく見られる傾向ですが、「信頼できる人の意見やアドバイス」もよく聞くらしい。「間違えた!」と思えば、意地を張らずに軌道修正ができる人でもあるようです。

ディール(=ビジネス上の取り引き)」を好み、通商政策においても安全保障や外交においても、先手必勝で相手の一番痛いところを突きながら、相手をびびらせ驚かせ、その後に「落としどろを探る」といった手法を好むようです。

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もっと具体的に分かりやすく説明すると、不動産取引などで「市場価格6,000万円」くらいの物件を、その物件をとても欲しがっている顧客に向かっては、不動産会社は最初に「1億円」くらいの高値をふっかけ、まずはその「欲しがっている顧客」をびびらせてから交渉をはじめるといった、例の「あれ」です。その後で徐々に値引きして、最終的には落としどころ「8,000万円」くらいで決着する。そうすると、顧客も2,000万円くらいは相手に譲歩してもらって得をしたような錯覚を得られるし、不動産会社の方はまるまる2,000万円は丸儲けできるわけです。

ですから、通商政策においても、トランプはTPPなどの多国間交渉を嫌います。ディールを使って、アメリカに有利には運べないからです。というわけで、彼は2国間交渉をとても好むわけです。

トランプがEUを嫌う理由は、「EUが官僚主義に陥っていて、機動性をまるっきり失っていること」が一番の理由でしょう。ですが、それとともに、EU相手だと多国間交渉をしなければならない「じれったさ」がトランプにはあるからでしょう。

今後もトランプは、彼のメイン支持層(プア・ホワイト、白人低所得者層。特徴としてプロレスファンが多い)が喜ぶような「意味不明の罵詈雑言」をツイッター上では続けることでしょう。けれども、それは彼の本心ではないでしょう。「大衆向けのリップサービス」ですから、私たち投資家はこれらの暴言を真に受けてはいけません

Next: トランプの狙いは「短期決戦」だ。これから想定される10の戦術を解説

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