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投資家視点で考える「安倍総理は北朝鮮との戦争を決意したのか?」=伊藤智洋

9月20日に行われた安倍首相の国連演説を聞くと、日本人に被害者を出してでも、米国に北朝鮮の現体制を壊してもらう決意を示したと推測できます。(『少額投資家のための売買戦略』伊藤智洋)

※本記事は有料メルマガ『少額投資家のための売買戦略』2017年9月24日号を一部抜粋・再構成したものです。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。今月配信済みバックナンバーや本記事で割愛した全文(プラチナ、日経平均株価の今後のシナリオ)もすぐ読めます。

プロフィール:伊藤智洋(いとうとしひろ)
証券会社、商品先物調査会社のテクニカルアナリストを経て、1996年に投資情報サービス設立。株や商品先物への投資活動を通じて、テクニカル分析の有効性についての記事を執筆。MS-DOS時代からの徹底したデータ分析により、さまざまな投資対象の値動きの本質を暴く。『チャートの救急箱』(投資レーダー社)、『FX・株・先物チャートの新法則[パワートレンド編]』(東洋経済新報社)など著書多数。

後戻りできない安倍総理の恐るべき「覚悟」で、株価はどう動く?

国連演説が示唆する安倍首相の決意

9月20日、安部首相の国連総会での演説は、北朝鮮がいかに国際的なルールを守らない国であり、非人道的な国であることの説明に使われました。この演説により、安倍首相は、北朝鮮をどのような方向へ持っていきたいのかがはっきりしたように感じます。

私見です。安倍首相は、韓国人、日本人に被害者を出しても、米国に北朝鮮の現在の体制を壊してもらうことを決意したのではないかと推測できます。

北朝鮮の問題を収束させる方法は、2通りしかありません。

  1. 米国が北朝鮮の核兵器を容認する
  2. 北朝鮮の現在の体制を崩壊させる

上記のどちらかです。

1. 北朝鮮の核兵器を容認するシナリオ

前者の場合、北朝鮮と米国が国交を開く方向で動き出すと考えられます。北朝鮮の核の問題は、中国に任せるという意思表示になります。

この選択は、米国がアジアから少しずつ手を引いていくことを意味しています。もともと、日本を中心としたアジアへの軍備は、中東の石油権益を守るための中継地点という位置づけが強かったと言われています。米国は、シェールオイル採掘で、中東の戦略的な重要度が低下しているため、米軍の世界戦略を変更しつつある状況でした。米国のアジアへの関心が薄れた場合、完全に中国がアジアの主導権を得ることになります。

現在の韓国の大統領の任期は、あと5年あります。米国が北朝鮮との国交を開くことになれば、親北である韓国の現大統領は、待ってましたとばかりに白旗を上げて、北朝鮮へ急接近すると考えられます。

その場合、北朝鮮の現政権が主導する朝鮮半島の統一を目指す動きが始まります。ロケットマン(名前を書くのも嫌なので)は、貧困によって考える力を奪い、力で支配するか、敵対勢力と戦うため、一致団結するという統治の仕方しか知りません。

米国との国交を開き、自らが主導して朝鮮半島を統一する流れができたとしても、その富を自分へ集中するような統治になるだけです。

その際、非難の矛先が向けられるのは、日本になります。米国の後ろ盾が弱まる日本は、北朝鮮と国交を開き、戦後賠償として何兆円もの支援をすることになります。また、中国、朝鮮半島の歴史観を押し付けられ、どんな政府であれ、それを受け入れる方向で舵を切ることになります。

Next: 本命は「2. 北朝鮮の現体制を崩壊させるシナリオ」だ

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