中国がビットコイン取引の全般的な取り締まりに乗り出したとの報道に注目です。興味深いのは、規制と同時に、政府主導の暗号通貨電子マネーを研究している点です。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2017年9月23日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
ビットコインは中国政府のモルモット。実験終了はもちろん死ぬ時
中国国内でのビットコイン売買、包括的に禁止へ
中国政府の「ビットコイン取引に対する姿勢」についての報道を紹介します。下記、報道のポイントです。
中国政府はビットコイン取引の全般的な取り締りに乗り出した。この取り締りで、ビットコインがどの程度の強靭さを発揮するのか、政府の干渉・取り締りに対してどの程度の防御・耐久性能を持っているのかを見極める模様だ。
消息筋によると、当局は中国国内でのビットコイン売買を包括的に禁止すると決めており、それは取引所の閉鎖も含むようである。
出典:China’s Interference on Bitcoin Tests Currency’s Foundation – WSJ(2017年9月18日配信)
北京で開催された非公開会議で、業界の指導者たちは意見交換をした模様である。
先週の段階では、ビットコイン業界のトップたちは、「当局は、ビットコイン取引所のみを閉鎖し、個人間同士での相対取引は見逃す」と予想していたのだ。
中国インターネット金融協会(NIFA)は、ビットコイン投資家に対して、「幻想通貨取引は、国家の基本的な法律的根拠がない」と書面で通告していた。
出典:China’s Interference on Bitcoin Tests Currency’s Foundation – WSJ(2017年9月18日配信)
中国金融当局の目標は「すべてのマネーの動き(送金人、受取人)は追跡可能にしなければならない」ということである。
中国は、上海の技術会議で「すべてのマネーの送金人、受取人を明確に追跡できなければならない」と強調している。
政府がどのレベルまでの取り締りをするのか不安が広がり、例えばチャットでのメッセージ面でも変化が起きている。最近、ビットコインの取引ユーザーは、We Chat から暗号メッセージサービスへと移動しているとのことである。
出典:China’s Interference on Bitcoin Tests Currency’s Foundation – WSJ(2017年9月18日配信)
中国の取り締まり強化の内容について、英国の取引所「Coinbase」や香港の取引所「Bitfinex」のウェブサイトへの中国国内からのアクセス禁止などがありうるだろう。
9月上旬、中国最大手の取引所「BTCC」「Huobi」「OK Coin」が取引サービスを数週間停止すると発表したので、ビットコイン価格は急落。
9月1日4960ドルだったのが、9月18日3947ドルへと3割弱下落した。
出典:China’s Interference on Bitcoin Tests Currency’s Foundation – WSJ(2017年9月18日配信)
下記、元記事内のグラフについて解説します。
▼(ア)ビットコインの価格の推移(7月、8月、9月)
▼(イ)毎日の取引の国別比較
下から、赤色:中国、青色:米国、黄色:ユーロ、緑色:日本、灰色:その他。
▼(ウ)2017年の発掘量(保有量)
3分の2が中国、3分の1はそれ以外となっています。
興味深いのは、取り締り措置だけでなく、暗号通貨であるビットコインの匿名性に対する耐久性をテストしていること。つまり、政府主導の暗号通貨電子マネーを研究しているのです。
現在のビットコインは、いわばモルモットです。どこまで耐えれるか?の実験動物です。もちろん、死んだときが実験が完了するときでしょう。