ビットコインを「盗み出した」北朝鮮
中国と韓国が、8月に入ってから、予告なしに仮想通貨の「監視強化」に乗り出しました。
中国に至っては、「仮想通貨の取引所全面閉鎖」の情報が出ては消え、消えては出てくる、というありさま。
世界最大手のマイニングファーム・ビットメイン社(Bitmain)のジハン・ウーでさえも、規制当局の気まぐれに翻弄されているかのようです。
今年の春から、北朝鮮がランサムウェアというマルウェアの一種を使って、Wannacry(ワナクライ)と呼ばれるサイバー攻撃を、韓国の仮想通貨取引所や大企業に仕掛けていることが確認されています。
主なターゲットは、ビットコインをメインに取り扱っている仮想通貨取引所であると報じられています。
北朝鮮に対する経済制裁の一環
北朝鮮が、西側の通貨システムや市場を混乱させる目的でWannacry(ワナクライ)を仕掛けたというのであれば理にかなっているでしょう。
北朝鮮はなぜ、たかだか15兆円規模の仮想通貨市場を破壊しようとしているのでしょうか。仮に、北朝鮮がそれに成功したとして、西側の金融システムはびくともしないのに?
明らかに北朝鮮は、ビットコインを盗んで、他国の仮想通貨取引所でそれを売り、ドルなどのフィアット通貨に替えようとしているのです。
北朝鮮の度重なるミサイル発射によって、確かに暗号通貨、特にビットコインの価格は上がりました。
しかし、8月に入ってから、中国と韓国が同時に規制を入れてきた上、それまで、ほとんど沈黙を守って来た米国の証券取引委員会(SEC)までもが、ビットコイン他の仮想通貨市場に介入してきたことを考えると、これらの措置は、北朝鮮に対する経済制裁の一環であると考えざるを得ないのです。