知らないと大変なことに! 変動金利住宅ローン「4つのルール」
(1)5年ルール
金利の変動に関わらず、5年間は毎月の返済額を一定にするルールです。5年毎にその時点の適用利率、残存期間、借入残高によって、月々返済額を見直します。ただ金利が急上昇した場合、最悪は利子だけを返済している状態になり、いつまで経っても元本が減らないという状況に陥ります。
(2)年2回の適用金利見直し
銀行によっても異なるのですが、金利が変動した場合、毎年2回、半年毎に金利が見直されるプランが多くなっています。「5年ルール」で返済額が一定であっても、適用金利は変わるのです。
毎月の返済額は元本分と利息分に分離できますが、利息分の返済が増えて、元本分の返済が減るようになります。そのため、金利が上昇すればするほど、返済期間は長引いてしまいます。
(3)125%ルール
金利が急上昇した場合も、返済額が最大125%までしかアップしないというルールです。返済額が毎月8万円だった場合、最大でも10万円までしか上がりません。一見、返済者思いのルールなのですが、本来、返済するべき125%を超える部分について支払いが免除されるわけではありません。その超過した金額は繰り越されます。支払い額のうち、利息分が増えて元本分が減るため、結果として返済期間が長引くことになってしまいます。
(4)金利は15%が上限(利息制限法)
金利の上限を定めた法律です。元本額が100万円以上の場合(住宅ローンの利用者は全員が当てはまります)、15%が金利の上限となります。これは変動金利住宅ローン利用者にとって、ありがたいルールです。
以上の4つを理解しておけば、変動金利住宅ローンのリスクを正しく認識できるでしょう。
リスクプレミアムが急上昇する局面では、悪性インフレも同時に起こります。それでも、「収入の増加速度>ローン支払いの上昇速度」の状態を保つことができれば、変動金利のローンを利用していても、理論上は継続して支払いが可能です。
※実際この状態を作れるかどうかは、人それぞれの状況によります
一方、固定金利の住宅ローンを利用していた場合、インフレによって負債の大部分が「帳消し」になるため、逆に大儲けになります。